随筆:「4月7日の贈り物」

by ご近所のきよきよ


 

 4月7日快晴。県立図書館に行きました。片道1時間半歩いていたのですが、フト、「ボトルを取り出し、栓を開けてワインをコップに注いだ」という文章が浮かびました。しまったと思いました。未夢プロジェクトのステージ情報はlocationとtime、ゲームなどのrogical objectしか考えていませんでしたので、「栓」も「ボトル」と一緒に動くものということが抜け落ちていた事に気がついたのです。というのは、ステージは大がかりですから、ちょっとした処理には重すぎるのです。実際、「ワイン」は「ボトル」から「コップ」に移動になっています。それをステージとして捉えるのは、エレガントですが、なんか抵抗を感じます。もっと簡易なステージというものがないか。しかも、シーンの中のカットに収まる物。

 ステージ、シーンはアクターをとことん管理しますが、この場合、「ワイン」は「ボトル」とか、「コップ」に属する事だけが重要です。それに、ボトルはテーブルに属したり、同時に木箱に入っていたりします。多重に各種のステージに属します。こんなことを軽量に扱うには、動画システムのステージというよりも、単なるグループというようなステージの軽量版を設けるのがよさそうです。グループといってもあくまで処理としてはステージなのですが。


 整理してみましょう。グループもステージ、シーンも論理的には物です。つまりアクターに成りうるという事。ならば、全ての基盤はアクターとアクターの管理ということになります。アクターに動画システムが貼り付けられると考えるのが良さそうです。そうして、文章をシミュレートしながら解析していく事が重要なことになります。

 文章で語られる状況は時々刻々変わっていきますから、シミュレーションの他に、各時点の記録を取って行かなくてはなりません。それは。キーフレーム法によるのが良いと思うます。ポイントポイントに世界の状況を全て定着する記録を取り、間は差分データ(カット)を挿入しておく。データ圧縮の為ですね。動画システムのステージはそういう意味で、単に場所と時間の記録でなくて、世界全ての記録を取っておくべきことが重要になると思います。シーンにこれを任せてもよいようにも思えますが。カットは差分データ(1文情報)ですね。



 

 それと気になったのは、「栓」がデフォルトで「ボトル」の一部分であることを認識する必要があるということです。それは素材集合というフレームで管理することになります。英語の前置詞で考えると明確なります。素材集合には基本的に、「in」、「on」、「out」の情報が必要ということですね。

 認識といえば、「栓を開ける」と「ボトルから液体が出せるようになる」というような認識も無ければなりません。多分そういうものはコーパスになるのでしょうが、視点の変換などを考えたり、「ボトル」の機能を挙げていくと、無数に項目が挙がってきます。所謂、フレーム問題という困難ですね。基本的にイメージで経験画像を持って、オンデマンドで記号化していくという方略になると思うのですが、それは先の問題として、ここではコーパスを重点に考えていきたいと思います。

 世界を認識するためのコーパスの型ってなんでしょう。ここを明確にしておかねばなりません。考えますに、次の3タイプと思われます。

 この(3)がコーパスのあり方を示唆しています。基本は英語前置詞をキーポイントとして、文を管理していくという方略が効果的と睨んでいます。詳細は未夢プロジェクトが成ったときに詰めていくつもりです。


 ということで、小遠足は実り豊かになりました。そのとき、ツバメの鳴声がありました。今年もまた来てくれたのです。嬉しくなりました。

 
 

おわり