随筆:「人工知能って・・・」

by ご近所のきよきよ


 

 普通のコンピューティングと人工知能とはどう違うでしょうか。おもうに、人工知能は単なるアルゴリズムをコーディングするだけでは済まなくて、知識ともよべる組織だったデータを基に解析結果を評価しながら、もっとも確からしい解釈をもって認識としていくコンピューティングということではないでしょうか。


 画像認識も自然言語処理も曖昧性が深い状況での解析処理となります。その曖昧性を克服するのには一つのアルゴリズムだけでは対応できません。ある状況で適切だったアルゴリズムは、他の場合には無力であったりします。そうです、画像認識も自然言語処理でも無数のアルゴリズムによって平行的に解析し、結果を知識と照合して、もっとも確からしい結果をもって認識としていく必要があるのです。

 この辺のことは、確率的学習理論のブースター技術と似ていますね。


 では、知識をどう使っていくべきでしょうか。知識は意味などの情報をまとめて記述するオブジェクト知識とオブジェクト間の関係を表現する知識とがあります。関係もオブジェクトとなりますから、結局すべての知識はオブジェクトとその共起関係で表現されることになります。この共起関係は全体というか文脈というか、他の共起関係とどのように関係しているかも表現しなくてはなりません。つまり、この文脈ではこの共起関係の頻度が高いとか、原因結果関係は他を圧して強いとか・・・そういうロジックを知識は表現できなくてはなりません。

 そんなことを考えると、ベイシアンネットワークというものは重宝だと思えるわけです。2項共起関係とある文脈での共起関係の強さというもの(確率)を数学的に表現できます。そんな数学的で抽象的な知識ベースクラスというものを設けて、現実の知識をその抽象クラスにマップして推論していく。そんな人工知能コアシステムを設けることも面白いかなと感じるわけです。この抽象クラスは基本的に数学的な世界で、現実世界とは独立して製作できるわけで、知識ベースシステムの一つの構成要素として実現するのは有意義なことだと感じるわけです。


 アルゴリズムも知識です。知識オブジェクトです。この場合にはこのアルゴリズムを利用した結果が好ましいとか学習してベイシアンネットワークにマップしていくと、効率的な認識処理が実現できそうです。


 

おわり