随筆:「忙中閑有り」

by ご近所のきよきよ


 

 未夢の基本的な機能を作ってしまった今は、これからの事を考える毎日です。論文を書いてみました。


 それで、なんかボーナス貰ったような体験しました。NHKの番組で「ポアンカレ予想を解いた数学者」の2時間特集を見た事と、県立図書館で、岩波「数学」(2007年7月 夏季号)を読んだ事ですね。ポアンカレ予想が思いも寄らない方法で解けたというニュースと解いた数学者の奇行とは知っていましたが、ポアンカレ予想の具体的イメージと解法のイメージは無いままでした。トポロジーについては本を読んだ事があるだけ。あの特集の中で一番印象的だったのは、全てのトポロジー構造が8個のプリミティブな構造の組み合わせで成っているということでした。この発想が、最終的にポアンカレ予想を解くキーポイントだったのだということです。つまり、プリミティブな基本単位で物事を捉えることは重要だと。私も随分とそんなことを述べてきた気がします。

 数学では、学習理論の記事があって、前に考察「人間のパターン認識能力」で提案していたような理論がすでに存在するということに気づかされて、一気に読んでしまいました。すごい厳密な言語理論です(「人工知能における計算論的な学習理論とNoether環」徳永裕雄、山本章博、小林正典)。でも、学習の「台」になる、推測関数hも学習によって装備していかねばならないなぁと思って、まだ完璧な理論ではないのではないかと感じてしまったのです。パターンのプリミティブは何か、推測関数のプリミティブはなにか、その組み合わせとして、計算論的に学習理論を定式化できないか・・・などと思ってしまったのです。

 私もプログラム作りだけでなく、数学的なことも考えていきたいと思います。理論って、物事の大枠を決めるものだと思うのです。理論化されれば、技術は整理されて、今どの辺の現実解にいるのかが把握でき、現実世界で最大限の機能を出しているという、安心感が生まれます。自動車と熱力学の関係みたいにですね。


 頑張りましょう。


 
 

おわり