随筆:「常識の働き」

by 小山明雄



 物つくりしていて、ふっとその場にぴったりのアイデアが浮かぶことがある。全然、思いがけないアイデアであることがある。また、夢を見ていて、夢の中の相手が思いがけない行動をしてくる・・・そんな不思議。この頃、そんなことがなぜ起こるのかと不思議に思うようになりました。右脳・・・、連想・・・そんなことが回答のベースかなと、直観するのですがどうでしょうか。今回はこの辺を考察していきます。


 脳は活動が波動的に伝搬していくということです。これはコンピュータでいくと連想のリンクがどんどん発火していくことに相当します。コンピュータでは脳とは構造が異なり、このような波動的な演算の展開ということはできません。そうゆうコンピュータを作れば可能ですが。それには、リンクが成長して、演算素子間に自律的にコネクションができるようにしなくてはなりません。これは生物でないとできないことですが、なにかこう実現したく思える挑戦課題ですね。

 波動的に連想が伝搬するというアーキテクチャを持つコンピュータがあったとします。そんなコンピュータはプロセス要素の結果の重要性とか確信度とかで評価するだけで、高度の処理が実現できます。鳥がわたりをするとき、方角を計算するのは、微分方程式とか連立方程式とかを解くのではなく、この確信度の投票によって結論を絞っているのでしょう。そんなことができるのが、このアーキテクチャの利点です。素子は遅くても、超並列を利用すればそんなことができます。と同時に、このプロセスは一気に回答を得るというシステムになりますから、突然、回答が浮かぶという脳の現象を説明できます。この投票に使われる知識が常識というものです。それは、文脈に依存するから、コンディションパターンがあって、その結果は何かという共起知識によって成り立つものでしょう。パターンです。パターンは学習とか生得的とかで保持していくものです。難しい理論ではありません。あくまでも、現象論が基盤のシステムです。


 波動的に連想が伝搬するアーキテクチャを持ち、かつネットワークが成長するコンピュータはインターネットですね。人的ネットワークも疑似的にそんなコンピュータシステムともみれます。良いものが突然現れ、世界を席巻し、歴史に残る。ウォークマンとか、iPadとか。そんなものを見ると、脳とはなにか、人工知能はどうあるべきか、見えてくるような気がします。  今年は色々なことがありました。個人的には和葉が動くようになったのが大きいですね。信濃プロジェクトを推進していきたく思います。頑張ろう日本。



 
 

おわり