随筆:「ニューロと仮想化」

by ご近所のきよきよ


 
 ニューロコンピュータを仮想化するとしたらどうなるのでしょう。パーセプトロンとかバックプロパゲーションシステム、サポートベクターマシンなんてハードウェアを共用させて、汎用的に用いるということになりましょうか。隠れノード、入力ノード、出力ノードの数を自在に設定すること、ノード間の接続関係を自在に設定すること、そんなことができる事ですね。
 実際、ノード間の接続重みをマトリクスにして、他の記憶ニューロネットにコピーしたり、その逆が行えることは必須になります。ある事象の学習をしているときに、他の事象の学習もこのニューロ回路で果たす。こうすると仮想計算機になります。
           図1.仮想ニューロシステム
 
 脳の中でこんな仮想化ができている事は、文脈によって事象の連想がことや、カテゴリーが異なってくる事などで予想されます。全てを実ニューロで実現しようとすれば、いくらニューロ回路素子を多くしても追いつかない話になるからです。学習状況を連想メモリとしてニューロ回路の素子の組み合わせで表現出来るようになれば、ほぼ無限の記憶が可能になります。
 連想データ・連想メモリは一時的にあって、永久記憶としてはメモリ・演算ニューロの領野の連想関係に埋め込むようにすると、連想データ・連想メモリを高度な符号体系にしても(高度なテーブル構造にしても)脳全体としては巨大な素子量を必要としないようにできます。
 あめふらしみたいなものは仮想化が小さく(肌かな計算機)で、人間の脳は高度に仮想化が進んでいると思います。
 
 これで、パターン発見器と組み合わせると、かなりなことができる人工知能になりますね。外界を認識して、カテゴリーをどんどん学習していくシステムが作られます。その時評価回路も必要になりますね。パターン発見器(データマイニング)とニューロ学習は不要なゴミデータを無数に発生するそうですから、しっかりした評価系によって、学習内容をふるいにかけねばなりません。
 ニューロ学習回路はカテゴリー生成器として働き、パターン発見器と組み合わせて使うものという発想は良いと思うのですがどうでしょうか。
C:[Σ{Wti・φi+Wfi・¬φi}-θ>0]
(C:カテゴリー、Wti:trueの重み関数、Wfi:falseの重み関数、φi:パターン)
 なんて感じで、カテゴリーCを定義していく。
 
 評価系は必然的にエゴを産み、感情システムを構成するでしょう。感情システムは身体的知能な訳ですから、そんなシステムは必然的にロボットになると・・・。
 

おわり