随筆:「入試問題について」

by 小山明雄



国立情報学研究所の「東大入試に迫るコンピュータから見えてくるもの」プロジェクトを知って、また人工知能コンテンツを作っていくことにしました。この4か月は辞書作ったり、和葉のコーディングしたりと忙しい、厳しい活動をしていました。なんか、アイデアの発表は止めようかとも思っていました。しかし、ここはまた頑張って、コンテンツを作っていく意義のある時代になったということで、少しずつ発表して行こうと考えたわけです。


東大入試ということで、大学入学試験問題集(赤本)を買ってきて読んでいます。なかなか、面白い作業です。すごく勉強になります。人工知能の研究対象としてもとびきりの資料になります。大体、見えてきたことは、知識として記述が頭にないことを推論していく過程が重要ということです。IBMのWatsonプロジェクトは知識として記述があるものを検索することでした。大学入試問題は一回り難しいステップがあるということです。これは、単に解答を見出すというプロセスの設計だけでなく、問をどう表記するかという問題でもあるのです。Watsonの場合は検索ですから、問はPrologのような文法で表現できます。大学入試の問いはPrologライクな言語で表記できるでしょうか。そんなことを考えました。


人工知能の研究をしてきて、重要な項目は次の3つだと思うにいたりました。この辺のことは、今までの記事を読んでもらえればと思います。

(1) Ontology

(2) パターンの固まり

(3) 連想


 Ontologyは身体性を記号化した概念で、情報の接地問題を解決する決めてです。パターンは全ての解析、評価システムの根拠となる基盤です。全てのプロセスはパターンマッチングして、しかる後特定のアクションを起こす。アクションもOntology化されて、パターンなわけです。連想は共起の管理であり、検索や思考の基盤となるものです。

 この3つの重要項目の他に、視点変換やオンデマンド解析はフレーム問題を解決する決めてですし、FOCUS管理は何をプロセスの対象にするか絞り込むのに重要です。インデクシングの技術であるプライミングや知識を構造化する技術は、処理を高速化するのに重要になります。


 これから、入試問題を分析しながら、信濃のAPIを設計していきます。頑張りましょう。



 
 

おわり