随筆:「すこしずつ」

by ご近所のきよきよ



 春になって、炬燵を離れてプログラムを作ったり、本を読んだりしています。この頃の暖かさで半纏も脱ぎました。それにしても、ナガラ族になりましたね。本を2、3冊読みながら少しずつコーディングしています。昔は一つ事に集中していたものですが、なんかあれもしたい、あれもしなくちゃと思い思いこういう風にナガラ族になっています。小説を一日に3,4冊平行で読む人があるとか。トイレでこの本、居間でこの本、書斎で本格的なミステリーをとか。そんな人が居るとテレビで見て知った時は驚きでしたが、その後、私もそういう類の人間になってしまったのです。こう並行で作業している人生になると、これはこれで楽ちんなお仕事スタイルかなと思うようになりました。集中することのきつさから逃れられることと、興味持って一日を過ごせることに気がついたからです。とにかく頑張りたく思います。


 若葉の図形解析の手法を改良できました。昔は細線化すると情報が捨てられると感じて、細線化せずに、太い図形のままトレースしてボックス解析で乗り切ろうとしていましたが、特異点解析が難しく挫折したのでした。どうしようかと悩みましたが、特異点は(特異点の候補は)細線化によって解析を簡単にしてから、それを手がかりにして元の図形をトレースしていって、図形の太さとか、太さの変化とかを解析していくとよい・・・そうブレークスルーしました。これでほっと安堵して、また大きく人工知能で前進をみたなと感じたのでした。それは、次のようなことです。


 塗りつぶし領域として解析すべきなのか、線画として解析すべきなのか。直感的には図形認識には線画として輪郭線を抽出して解析していくのが良さそうです。なんか、この3か月間違った方向でコーディングしてきたような。弛緩法としてアルゴリズムを設計していたときには確かに線画を考えていたのでした。どこで曲がりくねってしまったのでしょう。よし、弛緩法は次のようにしていこう。

(1) 輪郭の組み立ての把握

(2) テクスチャの組み立ての把握

(3) 特徴点の認識と分布の把握

(4) ゴミの認識



 若葉のコーディングを開始したのは11月だったでしょうか。もう2か月くらい・・・3か月ですか、やっているのですね。何度も何度もアルゴリズムを改版しました。ようやく、図形の基本属性を抽出できるところまでコーディングできました。まだまだ、コーディングは続きます。試行錯誤を続けるうちにだんだん画像認識の技術がはっきり見えてきています。あとは弛緩法を攻略するだけですね。いろいろな図形認識アルゴリズムを実現して、ライブラリにしていくつもりです。4月7日の鉄腕アトムの誕生日までになんとか何かを掴みたく思います。ま、基盤属性を得るアルゴリズムは今回のブレークスルーで獲得できたと思えますので、あと1か月・・・3月は弛緩法を中心に研究を展開していくことです。はてさて、若葉も大詰めですか。ようやくここまでこれたのですね。若葉は文字認識とか、画像解析を昔やってきて、その経験が生きています。3か月のコーディングですが、その背景は1年とか2年とかの厚みがあるのです。「ローマは一日にして成らず」ですね。とにかく、へこたれずに頑張りたく思います。

 

 
 

おわり