考察:「耳が2つなわけ」

by ご近所のきよきよ



 猫や犬、人間は対称な耳を一対持っています。ふと、どうしてかなと思ったのです。ヘッドホンで音を聞くと、頭の中に音源があるように聞こえます。左右で強さが違うと頭の中で、位置がずれて聞こえる。位相差をつけると、頭の外に音源があるように聞こえる。ということであれば、耳が2つあるのは位相差を音源解析にフルに使おうとしているからだと思えてくるわけです。


 2つ音源m1、m2があって、これを分離していくことを考えてみます。耳が2つあると音源の位置も知ることができるのです。左右の耳に入ってくる音波には距離の違いとか頭の格好とかで位相差が生まれます。すると、同じ音波波形のずれから、音源の位置が分かります。距離の位相差Lが一定の曲線上に音源があると推定されます。それは双曲線なわけです。左右の双曲線になりますが、左の波面が右の波面より速く到着すれば、音源は左の双曲線上にあることになります。反対の状況では右の双曲線上ということになります。耳の表と裏の音圧の違いから、前に音源があるのか後ろに音源があるのかわかります。そこで、最後に位置ですが、頭を回転させ、違う角度での位相差を取ると、2つの双曲線の交点に音源があるように同定できるでしょう。


 次に、音源の特定の周波数成分を取り、考えていきましょう。位相差をΔとすると、周波数の世界ではexp(-Δ*i)を周波数に掛けたものが実際の耳上の周波数せいぶんということになります。

(1)左耳の周波数成分=m1*exp(左Δ1*i)+m2*exp(左Δ2*i)

(2)右耳の周波数成分=m1*exp(右Δ1*i)+m2*exp(右Δ2*i)


(1)と(2)からm1とm2が求まります。


 で、n個の音源があるとするとn個の耳があると音源分離ができることが分かります。

 

 

おわり