考察:「考察:思考、行動は自然言語処理と基本的に同じ技術か」

by ご近所のきよきよ


 
 信濃のフレームワークを考えています。フレームワークを創るとなるとやはり、自律的行動とか思考システムに踏み込まざるを得ません。それも学習機構の裏打ちされた技術でなくてはなりません。外界を認識し、知識を学習して、その学習したデータを持って自律的に行動する。行動の一つの形態が思考なわけで、思考と行動を考え始めました。ずっと、この考察シリーズで触れたことも振り返ってみて、色々考えてみたあげく、思考も行動制御も自然言語処理と基本的に同じだなと気づいたわけです。今回は、そこのところを説明していきたいと思います。
 
(1)思考も行動も基本的要素となる複数の思考プロセス、行動プロセスが無くては成らない。指を動かすとか、物の動くイメージとか、そんなものは作り込んで存在する。これは、自然言語処理の意味オントロジーでしょう。クオリアみたいな基盤要素群があるということです。
(2)思考も行動も単純な要素プロセスを学習によって獲得していかねばなりません。それは、目標とその実現結果の評価値との関係で、基本行動をどう組み合わせて実施していくかという連想をつくることです。自然言語処理ではこれは単語に当たるでしょう。現実と1対1対応で学習できるレベルのプロセスです。
(3)目標と結果評価が多項関係になるプロセスが存在します。思考でも、「何をどこへ運ぶ」とか、「何時実施するか」とか考えます。そんなプロセスは自然言語処理の文に対応するでしょう。
(4)長野へ行くとか、この仕事を片づけるとか大きなまとまりは、自然言語処理では節とか章とか文章のレベルでの学習によるプロセスということになります。
 
 こんな風に、自然言語処理のように思考とか行動を考えていくと見通しがよくなると思います。学習には手当たり次第手足をばたばたさせるという、機序も必要になります。試行錯誤は重要な学習行動です。
 更に、プロセスの制御は、学習時の目標パターンが文脈にあれば、実行するという、自律的な物でよいでしょう。目標が満たされるまで、コア上に常駐して、下位の行動を連想によって起動したり、プランニングしたりして、制御していきます。目標が満たされる評価が成されると、用済みということで、自律で消滅します。そんなダイナミズムを信濃のフレームワークに作り込むことになるでしょう。
 信濃フレームワークとしては、次の3種のデータエリアが必要になるでしょう。
(1)センサー値空間・・・SensorSpaceSet :BlackBordクラス
画像データなどのセンサー値を保存する空間群
(2)記号化意味空間・・・ImageSpaceSet :BlackBordForLanguageクラス
   画像認識、自然言語認識などの記号化された意味世界群
(3)メンタルモデル・・・MentalModel
   意志や価値観、文脈のデータ空間
 
思考プロセスも行動プロセスも、これらをベースにして動いていきます。これらは画像認識プロセス、自然言語処理プロセスもベースにします。このようにプロセスのレベルでも、思考、行動は自然言語処理と同じ技術で動くことが分かります。
 



 
 

おわり