考察:「文パターン6」

by 小山明雄


 

 属性についてパターンでなく、イメージを構築していくことで解析していくべしとしましたが、パターンマッチングでもかなりのところまでいけそうな感じです。

【例文】壁は赤を基調としている。


「基調とする」で、動詞という考え方で、「壁は赤い」という意味の項を意味解析結果に付加すればよいのです。「基調+と+する」という文法で解析する場合も、「基調とする」という連語パターンをもって、「壁は赤い」という意味の項を生成していくと良いです。


 この属性追加パターンの学習としては、属性ごとに属性定義コマンドをリストで持ち右辺として、属性を導く文パターンを左辺として定義し、共起辞書にその対応を保存するというやりかたで、手作業で行っていくことになるでしょう。


 でも、完全に言語を自律学習していくシステムを作りたい。それは信濃プロジェクトの秋葉の作業です。「言語科学の世界へ 東京大学出版会」の本を読んでいて、秋葉のためのヒントを得ました。日本語、中国語、韓国語と文法を比較していくと動詞の性質が継続関係を含んでいるかどうかで、微妙に文法に違いが現れるとか、「の」のコロケーションとか、いろいろ違いがあるということです。この違いがあるということは、言語要素の中で何にフォーカスしていくかという視点が部妙に言語によってことなるからではないかと思えてくるわけです。身体という基盤は共通で、言語を作るというメタな機序は同じであるが、文化というか既存言語のバイアスをうける。

 そこで、基盤としてオントロジー(クオリア)を置いて、パターン発見機構をハードコーディングしていきます。パターン発見は共起を基盤にしますが、各事象にたいしてフォカスしていきますが(フォーカス機構のハードコーディングです)、フォカスの結果のオントロジー発火の強さには濃淡があって、どこにスレショールドを設定するかは既存の言語体験に依存するわけです。そこで、自律的に単語を発見し、文法を発見していくようにすれば、言語創生能力を持ちつつ。既存言語に寄り添って成長していくシステムができるのではないでしょうか。


 ということで、七海と飛雄を作りながら秋葉も考えていこうと思っています。




 

おわり