考察:「文法をどう考えるか」

by ご近所のきよきよ


 

 9月には和葉のコーディングを開始したく思っています。その前に、文法という物をもう一度考えていき、文解析、文生成の技術を確固とした物として、作業の手戻りをなるべく少なくしておきたく考えていこうと思います。意味の世界では基本的に2項関係の記述に持ち込むべきでしょうから、あとは文法をどう理解し、最終的に2項関係に持ち込む技法を研究していくことです。


 日本語文法をを見ますと、活用形があります、機能語があります。係り受け関係格関係という重要な事項はこの2つが担っています。しかしよくよく見てみますと、ほとんどは意味の世界で解決されていて、いわゆる文法は表層の表現の世界での係り受けや格を解決していて意味にするには「常識」のフィルターにかけねばならないことに気がつきます。

(例文1)湖は美しく、大きな山に囲まれていた。

これ、湖が美しいのか、美しい大きな山なのか分かりませんが、文法上は、「美しくて」の省略形として係り受けが成っています。そんなことは、意味解析では意味のない文法なのです。

 とするならば、「美しく」は形容詞として扱うべきでしょうか、副詞として扱うべきでしょうか、疑問になります。活用形として「く」を扱うべきでしょうか。「美しい」を辞書におき、活用形を生成していく・・・・・。色々な技術が考えられます。活用形まで含めて辞書のキーとして置くことは私が一貫して取っている方法です。人間も活用形を別個に処理しているとは思えないからです。「美しく」は形容詞のものと副詞のものを辞書のキーに置いています。形容詞は体言にかかり副詞は動詞に係るという事を技術の骨格にしたいからです。これは英語の文法を参考にしました。

同様なことは次の文にも言えると思います。

(例文2)湖を美しく思う。

これは、「湖を美しいと思う」と同じ意味でしょう。


 係り受けと格関係の抽出が意味解析の骨格です。係り受けの結果は((オブジェクト)(Attribute;属性文))と言う形式で表現するのがProlog的でよいでしょう。

(例文3)湖は美しい。

(例文4)美しい湖。

 (例文3)も(例文4)も共に意味の世界では((湖)(Attribute;美しい))と表現するようにするのです。


 この表記を拡張して、格も行動もオブジェクトの属性として表記したらよいように思うようになりました。

(例文5)明雄は長野市内を歩く。

これを次のように2項関係で表記するのです。

((明雄)(do;歩く)(in;長野市内))

 
 
 

おわり