考察:「原因と結果の自律的把握能力」

by ご近所のきよきよ


 

 夕焼けになると、次の日は晴れ・・・。これは経験から得た法則です。時間的共起によって法則を見出す能力の現れです。ですが、共起では本当の原理原則を把握して獲得した法則ではありません。この点が応用が利かないということにつながり、難点となります。「夕焼けになると、次に日は晴れ」は日本上空では風が西から東に流れるため、それにのって大気(高気圧)が移動していくため、西の空が晴れだと、次の日には東の空が晴れるということを推論することが大切です。これで、原理原則を把握したうえでの法則の認識となるのです。

 原因と結果の把握は、物事の流れ・・・現実の事象の流れを先ずコーパスとして記録するところから入るべきなのです。風のながれ、・・・。風に乗る大気、・・・。大気の移動・・・。こういうものを記録していって、その中から原因と結果を切り取って、「AならばB」という知識の昇華するわけです。

 ここまで議論したことが、エキスパートシステムの構築には重要な考え方になると思います。共起で知識を構築すれば、人手での推論用データを構築するのに有利でしょう。自動化・・・、自律的な学習も可能ですが、それだけでは本質的な原因結果知識とはなれない。ビデオで職人の行動を記録していって、その記録をコーパスとして蓄えていって、動画像認識技術を駆使して、原理原則を把握できるように人工知能を構築していかねばなりません。動画像認識技術は少しずつ進歩しているそうですが、その研究に期待するところい大です。エキスパートシステムには動画像認識技術が必須なのです。

 動画像認識には「流れがものを運ぶ」とか、「水は冷たい」、「晴れると光が空気を透過する」とかのプリミティブな認識事項というものがオントロジーとしてあるでしょう。ま、大きな研究課題としてエキスパートシステムはあるのです。


 

おわり