考察:「点列、線分列の近似」

by 小山明雄



 前回、対向線の無い一本線上の点列は、近似曲線(近似直線)の決定がかなり曖昧だと述べました。今回は、近似曲線の決め方をもう少し詳細に考えていって、コーディングできるレベルまでブレークダウンしていきたく思います。そろそろ若葉のコーディングを再開したくもありますし。
 
 前回、図形の認識は枠組みとの相対的な大きさパラメータの影響が大きいと申しました。同じ図形でも、相対的に大きければ基本的な図形として認識されますが、小さすぎれば雑音ということになります。
 そこで、フォーカスの口径を可変にした点列(線列)追跡機構を設けましょう。イメージのマップの特定の場所をこれで走査していきます。そこでは先ず、あるトリガーによって端点を決めてそこから、点列が見つかる方向にフォーカスを移動していくのです。移動は、空白が対向するようにフォーカスの中心位置を決定し、対向空白が無いとフォーカスの移動操作を中止します。点列(線列)の中心点がこのフォーカスでの代表点になります。フォーカスの大きさ分、フォーカスを移動したらそこで同じことをします。これを繰り返して、点列を得ます。

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 近似は曲線にすることもあり得ます。2次とか3次・・・必要に応じて、高次のベジェー曲線で近似すれば曲線の連結もし易いですし、あとでのパターン認識にも有効でしょう。次数よりも点列が多いときは、次数に応じて、点列をクラスタ化して代表点をもって曲線を求めていくことになります。
 
 近似直線、近似曲線で断点、変曲点などの特徴点を求めて、さらに曲率や長さなどの線の属性を求めて、パターンマッチングの手がかり情報を得ていきます。そうして、オブジェクト認識は成るでしょう。







おわり