考察:「機械学習ベース人工知能」

by ご近所のきよきよ



 生命の誕生から現在まで、生命というものは自律学習で進化してきました。無から有を生み出すのは機械学習があって初めて実現することです。複雑なシステムを創るのは、創造主でさえ手に余るものです。ゲームプログラムを作っていたり、画像認識や言語認識プログラムを作っている人も、求める能力を実現するには、これらはあまりにも奥が深く、複雑微妙で、とても自分の能力を超えると感じるでしょう。世の中はシンプルな物しか作り込めないものです。原理は単純・・・そうして自己組織化にまかせて、成長させていくという機械学習の手法が必須になってくるのです。神様さえそうしているのですから、人間も機械学習をもって自律成長システムとしてゲームシステムや人工知能システムを構築すべきなのです。


 学習の基本は共起の記録です。また、プリミティブなプロセスや意味記号が種として必要になります。プロセスは主導原理となる基本的な性質を人工知能に与えます。数学的構造とか、物理学法則が自然の主導原理となるようなものです。人工知能で必要な物は、

(1)対応関係処理

(2)論理演算処理

(3)算数処理

(4)物理シミュレーション処理

(5)格処理(配置関係処理)

でしょうか。後は、センサやアクチュエータのメトリックと値ですね。これらがベースになって自律学習が起きるようにする。

 共起関係は連想関係として定式化できますから、文脈をベースとした2項関係なわけです。文脈は、意味記号の組み合わせでしょう。そうして、2項関係の意味記号とパラメータ(メトリックスとその値)の組み合わせが関係になるのです。そうなので、連想の発火は連想群を悉皆検索(ASAM)していくことになります。


 この連想はニューロコンピュータとは違うようです。メトリックとその値のセットで入出力を連想させることはニューロコンピュータと一緒ですが、異なる出力(異なる意味記号)については異なる連想として、一つの素子で複数の出力にコネクションさせることはしません。メトリックの値に範囲が有るときには、ファジィー論理を適応すればよいでしょう。もっともらしい連想を複数のコネクションから選択するようにするのです。この辺はコネクションを悉皆検索(ファジーを計算しながら)していくことで達成します。


 機械学習はそのほかに、抽象化があります。同じパターンは記号を生成して、一つにくくるのです。この機能は、データマイニングとして技術ができていますから、それを利用していく。こうした、機構は知識ベースの基本機能として実現していくべきでしょう。そんな知識ベースの上に自然言語処理とか画像認識処理とかが成長していくことになります。


 
 
 

おわり