考察:「春、本を読んで」

by ご近所のきよきよ



 「知能の原理(R,Pfeifer,T,Bongard著;共立出版刊)」と「コミュニケーションするロボットは創れるか(谷口忠大著;NTT出版刊)」を読みました。関連して、「ロボット・センシング(大山泰弘、橋本洋志著;オーム社刊)」も読んでいきました。ロボットはどう創っていくべきかな、・・・大局を探るためでした。
 
 身体という物が重要として、身体はアトラクタとして記号が生成されるとして、でも、ハードウェアと調和して、プリミティブ意味記号を設計していくとよいということで、全てを身体に待つまでもなく、人間がコーディングしていってもよし・・・として。とにかく、センサーとアクチュエーターの設計が先ずあるのだなと確認できたのでした。で、「ロボット・センシング」を読んだのですが、なにか書かれている装置が真空管時代のように大きい。やはりLSI時代にセンサーもなって欲しいわけです。フィルムみたいになった圧力センサーで、無数のセンサーの格子になっている・・・液晶みたいにですね・・・そんなセンサー装置が必要だなと思うわけです。センサー要素は圧電素子とかコンデンサとかで、圧力によって容量が変わるとか、抵抗が変わるとか・・・微少な変形を関知する物であるわけです。雑音との関係でしょうか・・・。接触のほか、張力もそんな繊維で創る。ナノチューブとか・・・変形を関知する素子であればよくて、微少な電気的特性の変化を関知してセンサとする。そんな、研究をしてみたくもあります。
 で、CPUですか、どれくらい並行処理能力(コア数)があれば、人間並みの情報処理能力を持てるのでしょうか。計算してみました。
(1)人間の脳神経細胞は100億個、1/30秒で200ステップの並行処理で結果を出す。
(2)コンピュータは2GHzである。
 
 一つの神経細胞は連想などの処理で平行処理をΔP個実行するとして、コンピュータのコア数をCとすると、次の式が成り立ちます。
 2*(10**9)*C=100*(10**8)*200*30*ΔP
 これから、C=3*(10**4)*ΔP となります。
 ΔPをステップ数くらいということで、200とすると、C=6*(10**6)
とにかく、ものすごいコア数が必要ということになります。人間並みの知能の実現は困難ということになります。
 
 ですが、処理のほとんどは連想と検索(パターンマッチング)です。専用のチープなコアを1億個持てば、良いのです。これもメモリセルのように超平行簡易専門LSIとして持てば良いのですが、こんな研究もしたいです。あーあ、夢は広がりますが、なかなか力が必要でもあります。
 
 
 
 今思い描いている人工知能の枠組みを次の図に示します。


【説明】
 イメージデータ(例えば、猫など)を提示して、「これは何?」というような質問をU.Iに発したとします。
(1)メインプロセッサは猫イメージの部分的解析を行い、特徴セットを求める。
(2)特徴セットからサブコア群によって、知識ベースに連想を掛け、候補の解釈(意味記号セット)を得る。猫の目とか、足とか、全体とか、そんな入れ子構造で候補となる解釈結果を得る。
(3)サブコア群はまた意味の一貫性を評価していく。
  一貫性に落ち度があったり、細部の解析を必要ならば、メインプロセッサに仮定の下での再解析を指示する。
(4)メインプロセッサが回答文を作成する。
 
 

 

おわり