考察:「春、本を読んで4」

by ご近所のきよきよ



 センサーシートというものを思いつきました。ロボットの体表を覆う圧力センサーですね。センサーシート上の各素子には識別子が設定できて、体表の各点にこの識別子を対応させることができる。シートの各識別子の位置を自立的に把握できるように、シートには縦方向と横方向の繊維が張られている。電気パルスの伝達時間差で、縦方向の識別子までの距離と横方向の距離とが分かるようになっている。無論、センサー信号も縦横に伝わっていく。そんなようなものです。


 「ゲーム感覚意志決定法(AHP入門) 刀根薫著 日科技連刊」を楽しく読みました。人工知能の評価手法開発の手がかりにしようと、本屋さんで衝動買いしたのでした。2行関係を正規化し、マトリクスで表現して行くのが素晴らしいですね。何故そうすればいいのかというようなことは、厳密にはなかなか納得行かないものがありますが、主成分分析と関連して、経験則ですね。・・・ていうか、私はまだマトリクスの固有値という物を理解していないと言うことでしょうか。

 で、ちょっと機能が足りないなと思うことは、評価が正のことだけを考えていることですね。ある条件ではこの方略を取りたくないということがあります。不の大きさでの評価ですね。正の評価のAHPと負の評価のAHPを計算して、結果を合成すればいいと思うのですが、精確にそうして良いかどうかは分からない。でも、脳では促通と抑制の2種類のニューロンがあるから、負の評価というものも必要なのは言えるわけです。経験は力なり・・・歴史はそれだけで真実を語る・・・というわけです。


 今、画像認識システム若葉を創っているところです。大局は把握できたかなと思うのですが、各所をコーディングしてみると色々技術を思いつくことしきりです。こうして、本物の技術になっていくのですね。当面は、次のことを考えています。

(1)文字認識の実現・・・学習システムとの関連が重要。線の配置関係は4近傍マップを基本にして、詳細はマップを入れ子構造にしていくらでも細かな配置を評価できるようにする。それは学習システムと認識システムが対になっていることですから、パターンというものを自動で獲得させてテストできていくということです。

(2)人工知能フレームワークの実現・・・細かな、プリミティブプロセス群として認識の基本要素を用意していくこと。これで、人工知能の枠組み・・・開発技術を打ち立てることができるでしょう。

(3)2値画像を得ていく技術の実現・・・画像から2値画像を得ていく過程を認識をするプロセスの絡みで捉えていく。試行錯誤で2値画像を創っていく、そんなことから曖昧性処理に大きな技術の道を打ち立てていきたく思います。曖昧性は学習機構との関連で、管理方法と曖昧性除去方法を見出していく。大局的にはすでにある技術ですが、個別の問題にどう対応していくか、考えてみたいのです。


 

おわり