考察:「超並行イメージ処理」

by 小山明雄



 イメージの解析は無数の特徴の同定と、それら特徴間の関係(位置関係など)の解析を行う必要があります。この特徴の数の多さから解析は超平行処理になります。超平行ですから高速の汎用CPUを沢山用意すればできることでしょうが、高価になりますし嵩張ります。そこで、命令セットが少ない(トランジスタ数が小さい)プロセッサで沢山のコアを持った専用プロセッサが欲しくなります。そんなプロセッサとしてどんな能力が要求されるでしょうか。


 まずは、パターンマッチング能力ですね。拡大縮小と回転も可能となっていることでしょう。パターンは2次元のマップで、2値化イメージパターンで良いはずです。一致度を係数していくだけのプロセッサです。

 特徴の一致度を係数したら、その特徴量を持つ特徴点間の位置関係をマッチングして、弛緩法で何の図形かを判断します。これは図形の中の要素特徴点の分布を実際の特徴点群の分布とパターンマッチングして行います。図形の代わりに、「歩く」とか「持ち上げる」とかの記号かも知れません。これはイメージ概念から意味記号を連想する処理になります。この辺のことは脳を参考にするとうまく汎用の専用プロセッサを作れるのではないでしょうか。


 前に、記号の世界のパターンマッチング専用プロセッサを提唱しました。このように、人工知能では超平行処理がキー技術になりますので、ハードウェア実現能力を握ることは重要なビジネス課題になります。ソフトウェアも重要ですが、ハードウェアを上手く設計すると、今は困難な事柄もエレガントに解法することができると考えられます。ビジネスと理想(脳のレベル)を両睨みしながら前進していきましょう。




おわり