by ご近所のきよきよ
意味の理解には、格と単語の関係(シザラスとして管理する)が基盤として重要になります。単語の関係が重要なことは直感で分かることです。格も重要なことは次の例でわかります。
(例文)子供は犬の尻尾をつかんだ。
(問い合わせ)子供は何の尻尾をつかんだか?
(回答)犬の。
これは「何の」という所有格が例文の所有格「犬の」とマッチングしたので、取り出している。
(例文)犬が走ってきた。子供は尻尾をつかんだ。
これでは、「尻尾」の所有格を推論することになります。この推論には「尻尾」と「犬」の関係(シザラス)から情報を得ていくことになります。
これらは、シザラスを作っていけばなんとかなりそうですが、これだけでは十分でありません。
(例文)それは泥縄だよ。
「泥縄」=「泥棒を捕まえてから、縄をなう」=「泥棒を捕らえ、縛る縄をなう」 いろいろな表現で、単語「泥縄」は定義されます。しかも、その本当の意味は「事態が起こってから対策を考えること」、「手遅れのこと」と、これまたいろいろな表現があります。この困難を克服するには、自然言語を超えた抽象的な表現、イメージがあるようです。イメージを自然言語で表現したインスタンスをいくつか持った、そんなシステムが意味理解を実現するのに必要になってくることがわかります。
さて、そのイメージシステムはどんな仕様のものでしょう。そして、それは究極の求める意味理解システムでしょうか。これから検討していく必要があります。
おわり