考察:「日本語と英語」

by ご近所のきよきよ



 日本語文を英語の知識から解析していくと色々なことに気がつきます。特に、日本語は連語というものが大きな力をもっているなということです。「の中に」とか「の方へ」なんかは英語では、前置詞「in」とか「for」とかの1語で表現されます。「することがある」とか「しなければならない」とかは助動詞「may」とか「must」一語です。そのほかに、「行ってくる」とか「取ってくる」なんていう、便利な表現豊かな連語があって、これはなかなか英語にできないなという芸当ができる。「することがある」なんて、「there exist a case」という概念が日本語にはあって、しかも通常「may」の感覚で使われているわけです。そういう言葉の作りをかいま見せてくれる性質を日本語はもっているのですね。


 と感心していられません。今、英語という知識を持っているのですから、これを日本語文解析に応用していかない手はないのです。今、英語の知識から連語の重要さが見えてきています。連語は分析的に解釈することと総体的に解釈することの両方を我々に迫ってきます。単に係り受けを解析して単語のネットワークを構造的に捉えるだけでなく、もっとフラットな、連語を一語として意味に解釈していくことも重要になるということです。連語という物を自律学習していくように人工知能を構築していかねばなりません。そのとき、手がかりになるのは言葉を発しているとき、何をイメージしているか、どんなオブジェクトのどんな2項関係を表現しているかを捉えることです。この能力がないといけない。そうして、連語として複雑なロジックを一つの意味表記にしていく。そんな技術を打ち立てていかねばならないのです。



 

おわり