考察:「和葉設計書7」

by ご近所のきよきよ



 技能が向上してくると、作業は土台をつくり足場を作って、そうしておもむろに本体を作っていくという風に、落ち着いた開発スタイルになるようですね。知識ベースのAtomとフレームワークのCobalt,Hikariは土台で、今は辞書メンテナンスプログラムという足場を作っています。土台や足場は曖昧性を扱わない、ぐらつかないしっかりしたプロセスを選んでいって作るものです。今回はこの足場のお話をしていきましょう。


イメージデータからの言語知識の完全自動学習を実現する前に、人手による意味コンパイラーとも呼べる、辞書作成プログラムを作成していこうとしています。概念図を組み合わせることで、和葉に単語とか文とかの意味と文法を、記号表記で辞書に取り込むようにしていこうというものです。オブジェクト、行動、属性、格とかの意味記号を図にしていくGUIを作っていくのです。将来は、この概念図を生イメージから作っていくように若葉を創れば、一貫した学習システムになるはずです。

(1)オブジェクト

 time,location,abstruct,concrete,number

(2) 行動

 feel,action,change

(3)属性

(4)配置(格)

(5)付加情報

 tense,fuzzy,feel


 こういった物を記号セットの中から選択し、結んで共起関係や行動の向きなどを示して、視覚的に編集できるようにしていきます。



 ところで、名詞につける意味記号としても文脈により異なります。人間にはハエは食べ物ではありませんが、トカゲにすればハエは食べ物です。人間という知識の中のハエとトカゲのなかのハエでは異なるのです。そこで、人間とかトカゲとかのくくりで知識の固まりを持つことが必須になります。RDBでは日本語のテーブル名を許していないので、日本語名を記号にするテーブルが必要になります。和葉では、RDBのテーブルを一つの知識の単位として管理するよう利用しています。

 それと、動詞や名詞・・・自立語というものは意味記号に文記述が必要になります。「流れる」というのは基本的にmoveでしょうが、「agent.requid」とか「in.requid」とかの付加的な意味記号を必要とします。こんな、意味記号表記体系を設計していく必要があります。



 

おわり