考察:「パターン認識のひとつのアプローチ」

by ご近所のきよきよ


 

 パターン認識とは2Dの画像から、3D空間での物の同定とその配置を推定していく事です。今回はその技術を考えてみたいと思います。そのとき、認識処理としては柔軟に機能を追加できるようなものが好ましいと思います。少しずつシステムを精密化していくことができるようにしたいからです。外界は無数の物体からなっています。それを全て認識するとなると、一気にシステムを作り上げる事は不可能だからです。できれば、認識対象を一つ定義したら、その物体を認識出来るようになるという機構が望ましいわけです。


 画像からそこに写っている物体を推定するということは、特徴点の属性とその配置から知識ベース内にすでに記述してあるデータを推定していくことです。推定されるデータは複数あるでしょう。画像全体として、配置関係とか共起関係とか枠組み記述などのデータも連想させて取り出し、画像全体として物体とその配置を認識していくことになります。この技術としては、知識ベースと特徴点の属性、配置情報との連想の強さを確信度で表現して、連想が見つかるたびに投票をおこない全体データとして、弛緩法を実施して最終結果を得ていく・・・。という技術になります。


 この技術ですと、データ間の関係は確信度のみで独立性が高い事が分かります。特徴点の属性とか配置の記述を精密化したとか、連想関係を更新したとか、知識ベースを充実させるということも個々のデータを単独で定義し直していけばいいのです。また、極論すれば、データを単に追加していくだけでシステムは成長していく事が保証されます。認識プロセスも独立していますから、プロセスは単機能のものを必要に応じて追加していけばいいのです。実にエレガントな認識システムを構築出来ます。


 パターン認識はこの投票法を重視していくべきではないでしょうか。



 

おわり