考察:「ぽろぽろ思うこと2」

by ご近所のきよきよ



 雨がちの日が続きます。味噌の配達のお手伝いなどして、外出が多くなっています。そして、この頃はなんか経営関連の本をよく読んでいます。「マネジメント ドラッカー著 ダイヤモンド社刊」、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら 岩崎夏海著 ダイヤモンド社刊」とか、「プロフェッショナルの条件 ドラッカー著 ダイヤモンド社刊」です。なかなか面白いです。一気に読んでしまいました。しばらく本読みにに抵抗感を感じて、一気読みということをしなくなっていたのですが今回は違っていましたね。今、「競争の戦略 ダイヤモンド社刊」を本屋さんに注文しているところです。経営というか、ビジネスは創造の世界なのですね。そうして、技術だけでは生きていけない・・・人間としてやっていけないということを痛感しました。私ももしコンサルタントとしてやっていくとしたら、技術だけを追求している今の生活のあり方を変えていかねばならないと気づいたわけです。やはり、生きていくことのできる科学技術者を育てていくのがコンサルタントでしょう。技術だけサポートしてそれでことたれりとはいかないわけです。


 で、先ず技術を思ったわけです。若葉を作っていて思ったのですが、オブジェクト画像は全て点として表現できますね。人物も点だし、猫も点、海も空も林も点。大きな画像では、人物は点といて表現されます。論理図では地球も点になってニュートンの運動方程式は説明されます。そして、一方でイメージはイメージ画像そのものとしてテンプレートマッチングで利用されます。顔認識とかも結構テンプレートマッチングで切り抜けるところがあるのではないでしょうか。もちろん、特徴点抽出を行って、ある程度解析処理をした結果を用いているのは勉強して知っていますが。そう、そういう解析が入ったレベルの情報の固まりとして、人間や猫、海、林などが表現されパターンマッチングに利用されます。こうした、オブジェクトから抽出した情報を各レベルをまとめたものがモデルとして学習されるべきなのですね。しかも、全てダイナミックに利用されていく重要な情報なわけです。

 そこがまた問題なのです。情報量がやたらに大きい。一つのオブジェクト認識に、候補オブジェクト分の情報が必要ですから、それは無数な情報のセットということになります。一つのパターン認識にも無数の対応情報があるわけです。並行処理が必要ですし、投機的なというか、文脈で対象情報を絞り込んで行く必要があります。錯視なんてものも起きるでしょう。でも仕方がないことです。実時間で認識処理を終えねばなりません。ここが技術なわけです。情報は情報を整理していく過程で作られるものと、生まれつき備わったものとがあって、そこそこに間違いのない情報処理ができるようにされているようです。

 特徴とは後天的学習によって獲得されるものでしょうか、それとも先天的に特徴というものは把握されるものなのでしょうか。両方ですね。学習機構は新しいパターンを獲得することがお仕事ですから、後天的に特徴は獲得できるものでなくてはなりません。一方で、怒った顔、笑った顔は先天的に分かります。もちろん、笑った顔の認識もある程度学習によって精密化されるようですが。基本は先天的なものです。人工知能を設計するときにはこの点を考慮していかねばなりません。



 音声認識と音声合成についても思ったのです。周波数分布パターンを基盤に設計していくと良いのではと。実際の周波数と音素パターンの強さはパラメータとして別に制御できるようにしておく。「お」とか「た」とかの音素列の周波数分布を基本にして実際の音程と強さをパラメータを決めて合成することが音声生成なわけです。パラメータは学習して知識ベースに持つことですね。音声認識も周波数パターンをマッチングで把握して、あれば、周波数と強さを推定して(音が重なっていることがあるから)、実際の音声の状況を認識していく。これで、音声認識、音声合成技術はスッキリするでしょう。



 連想・パターンマッチングと推論について考えました。次の文をどう認識していくかなと思ったわけです。

(例文1)コーヒーでも飲むか?

(例文2)コーヒーは目が覚めてしまう。

例文1の問いに例文2で答えることは普通でしょう。これは「コーヒーは飲まない」ということを暗黙に言っているのです。人間には分かることです。人工知能ではどうか。会話にするにはどうしたらよいか。

【考えられる回答】

(例文1)は問われた者に状況とコーヒーからの連想を発生させます。状況はこれから「寝る」のだということ、コーヒーからは「目が覚める」ということを連想します。推論が働き(これも連想)、コーヒーは寝るのにagainstだと判断する。コーヒーは飲まないと決断する。答えそのままを発話するのではなく、理由を発話する。

 

 ということで、推論の多くは連想とパターンマッチングで実現できそうです。会話の理解も連想とパターンマッチングでいきそうです。



 人工知能の顧客とは誰でしょう。いろいろ考えたのですが、PSE(Problem Solving Environment)はHPC(Hight Performance Conputing)を使いやすく・・・ユーザフレンドリイにする技術ですよね。それを含んで、システム(主にコンピュータ)を人間のパートナーにすることが人工知能で、顧客はパートナーが欲しい人々ということになるのではないでしょうか。ペットみたいに、人間にはパートナーは必需品です。こうすると、携帯電話、iPad,iPhoneなどスマートホンはまさに人工知能が目指す方向をさしているのが分かります。もっと高度に、ロボットを含めて、人間のよきパートナーとなるものが人工知能なのです。パートナーに仕立て上げるためには何でもありですね。・・・と、ドラッカーを読んでいて思いました。

 目標管理とはドラッカー氏が提唱してきた手法なのですね。確かに、目標を設定して活動することは大切でしょう。でも、会社で経験した目標管理制度はちょっと変と感じています。ドラッカー氏のいう目標管理は働く人のモチベーションを高めることを目標とするものです。それは、自分の顧客が何を求めているかを把握して(もちろん顧客はだれかと問うのですが。顧客の為に成果を出すわけですから)、最適なサービスを見出して行動していくということです。その目標を設定して精進していくということです。会社の場合この点が欠落していました。また顧客の設定は各自が発見していくことで、責任が生まれます。ドラッカー氏はそこに作業パワーを集中していけといっています。重点以外の作業は能率を下げるとあります。そうすると他の部署から要求される仕事は無駄ということで、切り捨てなくてはなりません。会社が存続できなくなります。目標以外の作業はするなということですから。少なくとも評価はされないと言うことですから、やらなくなって組織は崩壊する。

 会社の国への貢献は税金を納めることですが、大抵いやがるもので、税金の安い国に会社を移すこともやられています。それは、会社本来の目標でないところにコストが発生するからでしょう。

 ということで、目標管理と人事をリンクするのはおかしいという結論になります。人間はトータルに評価して、人事をしていくべきなのです。「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら 岩崎夏海著 ダイヤモンド社刊」の語るとおりです。



 

おわり