考察:「思考プロセス」

by ご近所のきよきよ


 

 思考は特別な処理に特化することなく、センサー情報でも、概念でも、なんでもオブジェクトとしてとらえ、操作すらオブジェクトとしてとらえ、さまざまな変換処理、推論処理、リーズニング、概念の操作などをこなしていく。思考過程は高度に抽象化された、数学的な処理過程なのである。

 そこで、思考過程を実現するにあたっては、一つのユニバーサルな空間として思考過程を構築し、そこに問題向けのプロセスからマッピングをしていくことによって、思考過程を利用できるようにしていくのが良い方法であると考えた。できれば、人工知能全体をユニバーサルな思考空間として作っていくのがよいとは思えるが、センサとか行動システムとかは抽象化できないところである。センサも行動も生データを塊としてまとめていくプロセスがあって、その過程が思考空間へのマッピングとなっているようなアーキテクチャを採用することになろう。

1. 知識要素

 データは構造を持っている。従って、単純な2項関係では表現しきれない。2項関係を複数持った、複合知識要素が必要である。この複合知識要素の表現は、構成要素を内部にリストとして持つ知識要素とすればよいだろう。リストは永続化時に連想として表現すればよい。


2. プロセス要素

 プロセスは基本的に一つの知識要素から別の形の知識要素を生成すること(変換処理)である。知識要素は意味記号とその値(バリュー)と他の知識要素との関係情報(これも意味記号と値から成っている)で表現されているから、変換処理はそれらの意味記号と値セットを新しい形式の意味記号と値のセットにマッピングすることである。従って、永続化時には、プロセス要素はこのマッピングをXMLで表現するものとなる。メモリ上ではこのXML表現をDOMで表したものとなる。

 変換の対応はXMLのアトリビュート項に識別子を設定して解決すればよい。また、プロセスは一連の流れ作業をなし、その流れ作業の単位で管理したいものである。プロセスはしたがって入れ子構造になっていて、プロセスの定義の単位に識別子を設定して管理していくのが良い。そうすればプロセスも知識要素と同じに管理できるわけである。従って、プロセス要素もFrameDataとして管理していく。タイプが”process”という点がデータとしての知識要素(タイプは”data”)と異なるだけである。


3. 知識の例

(1) 変換処理

 文型変換を考えてみたい。



 

おわり