考察:「リーズニング文法」

by ご近所のきよきよ


 

 前にミシンの原理を議論しました。上糸と下糸が交差して、よれていく事によって2つの布を縫いつけていくのですが、その縫い目の状態から、それを可能にするミシンの原理というものはどんなものとリーズニングしていくか・・・というのでした。

 基本的にはイメージの変換を次々に行って、2つの別れた糸がどう交差させられるかを見ていくのでした。各場面はオントロジーイメージでサポートしましょうと。つまり、2つの糸が交差しているイメージが、それにたるイメージシーケンスに落とす事ができれば、リーズニングは成功したのだとできると議論しました。  このことは、Prologでの推論にそっくりな処理だと気づかせてくれます。イメージベースオントロジーのリーズニングも定理の証明みたいにPrologによって表現出来そうだとおもえるわけです。その際の葉っぱ項がオントロジーになるわけです。

 ですがこれでは実は表現出来ないのがわかりました。というのは、イメージのどこかの部分情報が重要で、その情報を不変にするようなイメージ変形のみが許されるというところが困難になるのです。つまり、サブイメージに落とすときに条件が加わって、それを満たすような物のみがサブイメージとして許されるということです。このときの条件とイメージ項目とは、リストで表現できるでしょう。とすると、1項しか許さないホーン節のような文脈自由文法ではこの導出が表現できなくなるということです。頭が複数ある表現が必須になるのです。頭が複数の項のAND,OR,NOTでの結合になるのです。とするならば、状況は文脈依存文法で表現されていくものということになります。

 イメージベースオントロジーでも、各データはピクセルとそれに付着するタグ群で意味を表現出来ますから、リーズニングの条件は記号リストで表現できるということです。

 文脈依存文法といっても、プログラム的には、Prologライクな導出と、導出をトリガーする条件マッチングの処理の2本の処理があるということにすぎません。そしてこれは、プロダクションシステムみたいですから、黒板システムとして作り込めるということです。エキスパートシステムで実現している事です。

 イメージベースオントロジーのリーズニングはエキスパートシステムみたいなものだと分かりました。というか、リーズニングは一般にエキスパートシステムなのですね。その条件として、文脈依存文法の導出原理を扱えることというのがあるということです。

 文脈依存ですから、推論が重たくなるということですね。アブダクションの出番ですね。条件項の足りない情報は、不明とか成り立つ可能性があれば、満たされているとして、どんどんサブ項に分解していく。成り立てば、仮定した値をユニフィケーションして、バックトラックしていく。成り立たない事が明白になれば、フォールスということにする。

 一般の知識ベースというのをオートマトン言語理論で整理していくと、なんか面白い理論体系ができそうですね。

 
 

おわり