考察:「思考空間3」

by 小山明雄



 身体へ入り、出ていく、そして自律的に生成される情報には次のものがあると思います。そして、これが全てだと。

(1) センサー入力群(プリミティブ画像解析結果とかプリミティブ音声認識結果とかも含みます)

(2) アクチュエータ出力群

(3) 身体部品の配置、動き

(4) 他者身体部品の配置、動き(ミラーニューロン系)

(5) 入力値を出力値に変換する情報(小脳系)

(6) 動き、配置の変化(意志系)


 これらの情報を記録して保持するのが機械学習で、記録がモデルとして概念になっていくわけです。思考はそのモデルを選択するとモデル内の情報によって、自律的に情報処理をしていくことになります。時系列は原因結果の推論になるし、空間配置の共起はステージの認識なり、検索の対象になります。知識による欠測値の補完処理になるわけです。また、目標に合わせるように動きやオブジェクトの配置を変えることは意志の働きによる、予測・・・シミュレーション思考になるでしょう。


 「意志」というものをこれまで色々考えてきましたが、センサー値アクチェータ値変換による出力結果の自動的な決定関係を変える働き・・・これが「意志」ではないかと思うに至りました。物理学でいう加速度と慣性質量の積が力であるようなものです。この力に相当するのが意志ではないかと。入力値が自動的に出力値に変化している状況では「意志」は生まれない、「意識」があるだけです。そうして、この意志というものを情報力に表現すると、すべての思考空間は機械学習によって知識要素に記録でき、知識要素を次々に選択していくことで(投票法による連想で)、自律する閉じた系として作動していくことが定式化できます。外乱要素(外界にオープンな系)はセンサー入力群のみになるでしょうか。




おわり