考察:「シナリオ」

by ご近所のきよきよ


 
 これまでのオントロジーに関して考えてきた事を纏めてみようと思います。これまでの考察の過程で、自然言語処理とかロボットの他者認識にはオントロジーが基盤技術になるとの思いがものすごくつよくなりました。今回はそのお話をしようと思います。
 
 文章はまずオントロジーでサポートされた意味体系に落とさねばなりません。一気に落とすのは無理で、文法や単語の共起情報などによって、単語レベルの表層的な表現での理解に落とす段階を取ってから、更に文脈を考慮した深層に意味理解を表す表現に落とし込む事になります。深層表現は、知識として組織だった形式を持ったデータにしなくてはなりませんからフレーム構造を取るべきでしょう。フレームはオントロジーでサポートされています。
 そして、フレームの利用の段階になります。色々の条件とか実データとかを与えながら、フレームを基本に推論していき、求める答えを見いだしていく事になります。オントロジーによって関連する記号が全て発火しますから、必要な視点のもののみをフィルターをして取り出すことになります。基本は内容検索をいかに高速で実現出来るかという問題です。

 知識としては、文章の構造をそのまま記号化したデータと、状況に応じた組織化したフレームとしてのデータがあるべきです。文章を再解読するために文章構造を記号化したデータが必要ですし、本当に生活に必要な知識としてのフレームが必要でしょう。フレームはオントロジーでサポートされた記号データで、因果関係が検証されたシーケンスとして木構造で表現されたものでしょう。それはそのままオントロジー記号として利用出来る物であるべきです。
 
 日本語処理としてはこのシナリオで良いのですが、さらにロボットが他人の行動を解釈し、生活していくのもこれと同じような処理が必要になると気が付きました。文章が外界のイメージ(他人の行動)であり、それがパターン認識とパターン認識によって記号化された知識をオントロジーでサポートする過程です。文章生成過程がロボットのアクションに相当することになるのです。ロボットのアクションもオントロジーでサポートされなければいけません。

おわり