考察:「多重処理」

by ご近所のきよきよ


 
 自然言語処理で、文を解析するとき、
(1)形態素解析(分かち書き化)
(2)単語の共起性分析
(3)係り受け関係解析
(4)格解析
(5)意味解析
という処理を行います。基本的に(1)から(5)まで段階を追って処理するものですが、曖昧性があるため手戻りが必要になります。・・・というか、文章を全体として解析したいときには、(1)から(5)までを渾然一体にして、弛緩法で曖昧性を低減させていきたくなります。文章全体の意味の流れを把握して、始めて形態素解析が完成するとか、単語共起の基盤が与えられるとか、係り受けの意味が確定するとかといったことが起きるからです。
 文章全体を多重で分散並行処理して、弛緩法をキー技術として解釈していくのが最終的に目指すべき自然言語処理ではないでしょうか。

  弛緩法を実行するのはさまざまな機能をもつデーモンとして並行処理するオブジェクト(エージェント)です。工夫としては、デーモンをプールしておき、起動するデーモンをなにかの情報で制御していくことがあるでしょう。また、文章全体を一度に見回しますから、要素とか関係のオブジェクトの永続化も工夫が必要です。オブジェクトは階層構造をしているでしょうから、設計には神経を使うことになるでしょう。
 
 弛緩法ですから何時終わるとも知れなくなりますから、中間結果を取り出すことも出来るようでなくてはいけません。
 
 この多重処理は、時間があれば試したいアーキテクチャです。多分、「思考」を実現するときにはこのアーキテクチャを採用することになると思います。
 

おわり