考察:「知識処理の構造」

by 小山明雄


 

 時改まり、ますます頑張らねばならないと思う元旦でした。少しずつ成果がでている・・・。少しずつ目標に近づいている・・・。と、感じるのは、心強いものです。なんせ、人生いろいろあるから、不安もいっぱいですし。去年は若葉と和葉でブレークスルーができました。今年はどれだけのことができるか、楽しみであるから、齢とることの寂しさに希望を潜ますことができる。そんなこんな、皆様、頑張りましょう。


 入試問題を読みながら知識処理を考えています。Watsonは記述のある知識を検索する問題でした。入試問題は記述がない知識の創生の問題です。この2つの間には、大きな技術上の段差があります。そこのところを今回は考えていきたく思います。

 Watsonを実現するには、文章を知識記号で特定の構造の知識として保存して、それをPrologのような論理言語で検索するという技術でできそうです。実際には知識にある内容とは違った視点で語られることもあるし、表現にも幅があります。それを検索時に解決していく。その点がPrologをかなり高度にしなくてはならない点ですが、基本的には、検索時に意味理解していけば良いのです。

 一方で、入試問題を解く場合ですと、知識の断片を集めてきて新しい知識を作っていく必要があります。比喩ですと、ある知識の意味の構造を参考にして、問題文の表現を解析していくことが必要になります。この知識を参考にする点で、高速な検索が必要になります。全知識を悉皆検索するわけにいきません。的確な知識を高速に特定すること、連想していくことが重要な技術になります。そのためには、構造的な知識(インデックス)を記述されている知識の他に常備している必要になります。これはもう、Prologライクな論理言語があればいいというレベルを超えています。


 文章を理解するとはどうゆうことでしょうか。理解するということは、文章によって的確なアクションを取れるということではないでしょうか。知識にはハードディスクにある遅い検索でアクションをヒットするレベルと、オンメモリの高速のヒットがある。さらに、プライミングによる優先知識がある。優先のものほど、高速に連想がいって、アクションに結びつく。無論、アクションは条件反射みたいなものと、評価されて、今現時点で適当な行動であるかどうか選択されるものとがあります。理解とはそうしたものということで、入試問題を解くプログラムを創っていくのがよろしいでしょう。


 ということで、今年もどうぞよろしく。


 
 

おわり