考察:「オントロジーをどうするか?(1)」

by ご近所のきよきよ



 今、私の研究の対象はオントロジーに絞られています。そして、苦しんでいます。やはりオントロジーを構築するのは難しいです。
 ある文章の持っている意味は、他の文章の意味と同じか、異なるかという判断はどう行われるのでしょう。
(例文1)川で泳いだ。
(例文2)川に浮かんでいた。
(例文3)水に潜った。
 
 (例文1)も(例文2)、(例文3)も「泳ぐ」という意味に置いて、相同です。でも視点をもっと細かに設定して、「浮かぶ」と「潜る」は異なると判断してもいいでしょう。 さらに、これらの例文は「川」とか「水」とか共通項があって、その中で何をしているという表現は見えるわけですが、「何処に居たか?」の問いに、「川」に居たと答えるには、ワンランク上の意味理解が必要です。
 このように考えてきたとき、オントロジーシステムとしてはどうあるべきか、考え込んでしまうのです。どうしたらいいか、非常に難しい問題なのです。でも考えてみました。意味の束(オブジェクト)という概念を導入すれば、簡単にこのへんのことが表現できそうです。
 
 同一の意味を担う文章は幾つか纏める事ができるということが分かります。また、その纏め方は視点によって変わってくるという事です。視点によって意味の束(オブジェクト)があることと、そこにコーパスとかイメージを登録していくということがあればいいのではないかと考えるようになりました。
 一つの文が解析されたとき、オントロジーのサポートは格とか属性とかで行われますから、同じ意味のオントロジー束は全部活性化されるわけです。さっすれば、同一意味の事柄を視点によって取り出すのは比較的簡単になります。ただ、超並列内容検索のできる技術が実現されればということですが。

 


おわり