考察:「オントロジーをどうするか?(3)」

by ご近所のきよきよ



 今まで、フレームをオントロジーとは違うものとして考えていました。でも、フレームはオントロジーそのもの、「視点」に相当するものなのですね。

 例えば、「レストラン」はフレームとしてどうゆう記述が有るべきでしょうか。テーブルがあって、椅子があって、レジがあって、人がいて、食事がある。こうした物は、HAS-A関係ですね。その他、食事するとか、話しをする、注文するなどなど、色々の動詞パターンが定義されます。注文も店員に頼む場合があるし、券を自動販売機で買う事もある。そういう、エピソードみたいな記述も必要です。テーブルやレジ、椅子、人の配置はイメージ表現しないとならないことも分かります。

 このようにフレームの有るべき姿を追求していきますと、「オントロジーをどうするか?(2)」で、オントロジーの構造に言及しましたが、その中の「視点」に相当するのがフレームであると気が付くわけです。視点にはプロフィルとか、行動・活動の文章定義とか、イメージへのポインタがあるとしました。そして、他の視点と連想によって結合している。それが全部、フレームというものに必要なのです。

 ということで、オントロジーは視点(フレーム)として実現され、その配下に、

  1. プロフィル(シーン固有フレーム)
  2. コーパス
  3. イメージ
  4. 連想(コネクション)

があるとして、定式化できます。


 文章を解析して意味を取り出すと、シーン毎にフレームができます。レストランですと、注文して、料理を受け取って、食べる。コーヒーなんかを飲んだりする。そして立ち去る。こんなフレームが店毎に有るわけです。入った時間が異なれば、同じレストランでも異なるフレームができるでしょう。オントロジーとしてのフレームはこれらが抽象化したものです。その辺は、文のコーパスとしても同じです。イメージも同じ。佐渡の海、伊豆の海、仙台の海といろいろあり、さらに抽象化した海があるのです。そうした物が、オントロジーの視点の下に管理されるわけです。ここでの例では、視点は「レストラン」とか「海」になります。


 イメージは配置関係とか包含関係などの情報が必要なときに役に立ちます。基本的に図であるからです。使うときは思考空間にロードして、パターン認識して、記号オントロジーを得て使います。




おわり