随筆:「似顔絵」

by ご近所のきよきよ


 時々、似顔絵の練習をするのですが、なかなか上手くならないので、年かなと感じる次第です。試しにサッチャー元英国首相を描いてみました。私の悲しさ分かっていただけるかと思います。

 でも、漫画ならかなり良い線いってると思います。なんて言い切れないですけど。例えば青山剛昌先生(名探偵コナンの作者)のキャラはこんなかな。

 つり上がった目と尖った顎が特徴ですね。此処を押さえて描きましょう。


 宮崎駿監督のキャラはこんなですね。

 似せるポイントは、目のうわまぶたは丸めること。または、半円を平らにカットすること。目の端をちょっとはねること。そして、眉毛と目の間隔を狭くすること。眉毛は長め。「風の谷のナウシカ」に出てきそうなキャラでしょう。


 似顔絵って、どうゆう原理で描けるものなのでしょう。今動いている似顔絵描きプログラムは、線画で捉えた顔の特徴を誇張しているのだそうです。平均的な顔というものを見つけ出して、テンプレートにして、そこからずれている量を拡大する。結構、良い線いってるみたいです。実物見たこと無いので、詳しいことはわかりません。


 そういう、誇張方式の他に、線とか、面のもつ「感じ」を計量して、そのパターンで顔を認識して、それと良く合う顔部品を選択して、似顔絵を作るという方法もありそうだなと思っています。線や面って「感じ」を持つでしょう。下図にそんな例を上げてみます。


 こうゆうのって、生得的なものだと思いますが、その生得はどこから生じているか。考えて見たいところです。長い生命の歴史があると思えるのですね。


 特徴誇張法に対抗して、こんな図形感情論を持ち出したのは、ほら、人って年取るじゃないですか。子ども時代と大人時代、熟年時代は殆ど違う顔ではないですか。でも、人は共通の特徴を見出し、問題なく生活している。これって、特徴誇張法では結構難しい問題になるのではないでしょうか。年齢に応じて、特徴分析の基となる顔パターンを変化させて、特徴変化を不変にするということが、技術的に可能かもしれませんが、・・・なかなか難しい。

 かといって、図形感情論は膨大なデータを作らねばならないし、実用になるかどうか。でも、漫画キャラクターは図形感情論で考えると上手く描けるのです。


大体が、顔パターンは神経パルスに翻訳されるわけだから、何個かの評価量があって、その組み合わせになって表現されているはずなのです。色というものはそうなっていますね。無限の周波数分布を持つ光も、脳は、赤、緑、青の3原色の混合で表現している。だから、顔パターンの3原色みたいなものがあると・・・。情報処理機械というものは、すべからく基底となる量から一般の量を表現すべきものなのです。そうすると、効率がいいのですね。

それに関連して考えてみますと、すべての感覚というものには感情も付随しているものなので、不思議だなと思うことがあります。色にも、暖かい色とか、冷たい色とかありますよね。テクスチャだと、ざらざらしているとか、すべすべしているとか、金属質だとか。大脳の新皮質では、量を精密に表現し、旧皮質では感情として、認識しているということですか。視床レベルの認識の表現があったりと、感覚情報は重層的に表現されているのかも知れません。

だから、顔パターンというものも、精密に分析していけば、色と同じように扱うことができる機構を発見できるかも。


 顔の認識も何時か挑戦してみたいですね。似顔絵の勉強するなら、志を高く持ちたいですものね。


おわり