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〜シルビア昔話〜

 これは昔々のお話。あるお殿様に降りかかった、不思議な災いのお話です。

―――

「誰か! 誰かおらぬかー!」

 朝靄もまだ晴れぬ明け方。お殿様の悲痛な叫び声が城内に響き渡りました。

「いかがなされました!?」

 大慌てで家臣達がお殿様のいる部屋へと駆けつけました。すると、そこには信じら れない光景が広がっていたのです。

「助けてくれ。余のポコチンが 回転して止まらんのじゃ 」

 なんということでしょう。仰向けになって寝ているお殿様の股間が……股間についている ポコチンが回転しているではありませんか。

「おお、おいたわしや殿。これはどうしたことか、おポコチンがブルンブルン回って おられる」

「何とかしておくれ、これでは着物が着れん」

医者じゃ! 医者を呼ぶのじゃーーー!!

 家臣の一人がそう叫んだとき、ある男が部屋へと入って来たのです。

「お待ちなされ、お待ちなされ!」

「ぬ、貴様、何者だ!」

 その男は髪がざんばらで髭は伸び放題、フンドシだけを身にまとっている、 手打ちにされても文句の言えぬ風貌でした。チン毛もちょっとはみ出ています。

「お殿様は悪霊に取り憑かれています。医者に見せたところでポコチンの回転は 止まりますまい。」

「なんと悪霊とな!? それでは一体どうすれば……?」

「私めにお任せくだされ」

 男はニヤリと笑うと、お殿様のいる布団へと近づき、どっかりと胡座をかいて 座り込みました。そして、胸の前で印を組み、なにやら呪文を唱えだしたのです。

 するとどうでしょう。お殿様のポコチンが 竹とんぼのように 激しく回転 を増したではありませんか。

「ち、ち、ちぎれるぅーーー!!」

「殿ーーーーーー!!」

去れ!悪霊よ!!!

 男が一喝すると、お殿様のポコチンは回転を止め、げんなりと萎えました。

「これで、もう大丈夫。後は塩で揉まれなさい」

 男はニヤリと笑うと腰をあげ、外へと立ち去ろうとしました。

「お待ちになって下さい!アナタ様は一体!?」

 家臣の声に男は立ち止まり、こう言い放ちました。

「亀頭師です」


―――

 これが今に言われる祈祷師の語源であると、現在に伝えられています。

 昔々の不思議なお話でした。


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