熱中症は、最近はテレビや新聞で紹介され、かなり知られるようになりましたが、まだ、この病気に関する知識が不十分なために、熱中症で亡くなるといった悲劇が繰り返されています。

1.分類

熱中症とは、高温多湿の環境下で起こる病気で、高温の炎天下での運動や、仕事で起こることが多いのですが、高温の室内でも起こります。軽症から重症まで、いろいろな症状が出現するため、下記のように分類されます。


一般にはこのように分類されますが、実際の場面では区別が難しい場合もあります。実際の場面で大切なことは、軽症か重症かを的確に判断し、重症と判断されたら至急病院へ連れて行くことです。
軽症から次第に重症になるわけではなく、比較的短時間(30分程度)で突然重症になることもありますから、判断は難しいのです。参考のために軽症か重症かの判断に役立つチェック項目を書いておきます。


2.重症度のチェック

(1)まず話しかけて、返事が正しく返ってくるか調べる。返事が無いとか、意味不明な受け答えであれば重症です。

(2)歩行させてみて、ふらついたり、よろけたりすれば重症です。

(3)いつもは我慢強い子が、疲れたと言ったときは、重症の可能性が強いです。

(4)顔の色が赤くても 蒼白でも重症の可能性があります。熱射病の重症では、顔面は紅潮となることが多いのです。

(5)発汗は多いことも少ないこともあります。発汗が全く無ければ、熱射病の重症の可能性があります。

(6)体温が高温の時は重症です。ただし熱疲労では微熱程度ですので、熱だけでは病院受診が必要かの判断は出来ません。

 以上のことも参考にして適切に対応してください。

3.熱中症の予防

 熱中症に対する最善の対応は、熱中症にならないよう予防することです。予防法は下記のごとくです。

(1)まず一番大切なことは、熱中症という病気があることを知っておくことです。

(2)運動は涼しい時間帯に行い、暑いときは暑さに徐々に慣らしていきましょう。

(3)高温多湿の場所での運動や仕事では、十分な水分と、少量の塩分を補給しましょう。

(4)水や麦茶だけでは、塩分不足で熱中症になりやすいのです。塩分を含んでいるスポーツドリンクがおすすめです。

(5)服装は吸湿性、通気性の良いものとし、炎天下では、帽子や襟のある服を着用しましょう。

(6)気分が悪いときは、無理せず、早めに運動や仕事を中止し、必要な手当てを受けてください。


では、熱中症に気をつけて、元気でお過ごし下さい!

三井クリニック 
  
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健康広場
今回の健康広場は《熱中症》についてのお話です。
熱けいれん  軽症 筋肉痛筋肉けいれんが起こります。四肢や腹筋に出やすく、腹痛を訴えることもあります。
運動中に足がつって、痛い!痛い!となることがありますが、これがそうです
涼しい場所で、水分や塩分(スポーツドリンクなど)を飲ませてください。
熱疲労 やや重症

めまい、疲労感、頭痛、失神、吐き気、嘔吐などが起こります。
多量の発汗、血圧低下、頻脈となることもあり。
脱水と塩分の喪失があり、放置すると重症化することもあります。
医療機関にて適切な治療を受ける必要があります。

熱射病 非常に重症 意識消失(1〜2分以上続く)、意味不明なおかしな話や行動がおこります。
顔面紅潮、発汗停止、体温上昇などが起こり、ときに40℃になることもあります。
多臓器不全と呼ばれる、全身の臓器の障害が起きて、生命が危険にさらされます。
直ちに救急病院へ送り、集中治療室での治療を受けさせる必要があります。