スキーのこと 更新’03.10.13

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'01年

 毎年、毎年よくやるものである。そのわりに、あまり上手くならない。サラリーマンでありながら年間50日滑るのであるから、よっぽどお金が有るのか、暇なのか。でも趣味というものは、年間100万円位は最低使うものなのだろう。それ位使わないとやった気がしない。
 
 振り返れば、スキーの仲間が長く交友を深めている。熊笹スキーというクラブに所属している。ここの仲間は久しぶりに行き会うと10年前とやっていることが変わらない。生活の変化は当然あるが、気持ちと行動は変わっていない。そういう場があってもいいのだろう。
 
 学生のときスキーの醍醐味の話が出た。私は即座に女の子にスキーを教えることと答えたものだ。私の基本はここにあって、この点も20年来変わっていない。先生と言われるほどのバカはなし。バカかも知れないが、楽しいのだ。先生はかっこ悪いことは出来ない。うそも教えてはいけない。最近は面倒な時代になって、資格を持っていないと、先生がやらせてもらえない時代になった。先生の品質が問われるのか。そんな背景から、私も準指導員受験をした。2シーズンを費やし、やっと手に入れた。私の品質も少し上がったかな。まてまて、準とはなんだ。準はあくまで準だ。指導員がより高品質な先生じゃないか。向こう3シーズン醍醐味のために頑張るか。
 
 テクニカル、クラウンがバッジテストに追加され、15年くらい経つだろうか。最初はなりものいりで始まり、テクニカルは技術選地区大会の予選通過レベルなどと言われ始めてから、やたら難しくなった。筆者も蔵王、岩岳、軽井沢、志賀3回、飯綱リゾート2回、浅間2000、戸隠。こっそり年1回位のペースで挑戦してきた。受からない。いや、ますますゴールが遠のいた感じがする。やっている事が根本的に違うのだろう。作戦が立たない、途方に暮れている。若造がホンとに上手い。この世界もレース、指導員の技術とはまったく違う、テクニックがある。ゴルフで90切るより難しく、混沌としたテクニックがありそうだ。この世界でもレッドベターみたいなレッスンプロが現れて、見事クリアーに解説して欲しい。スキーもいろんな楽しみ方が有るが、このジャンルはスキーの中でもつまらない部類だ。なぜか、目標がはっきりしないからだ。受験料10000円も高すぎる。週末スキーヤーにはコストと時間の割に壮快感が薄い。すこし愚痴になった。

'02春
 
今年(2002)の春、峯村聖佳さんに出会った。聖佳ちゃんはスポーツ店主催のレッスンの最中であった。私はこのころは自主トレで熊の湯によく出没する。聖佳ちゃんはおじんおばん相手に熱心に説明をしておられた。この人若いのにやけに話が長い。いったい何を話しているのかと近づいてみた。ただでレッスン受けては悪いなとは一応思った。だが、私のスキーを変える衝撃的な一言がそこでは語られていた。<背筋を伸ばして、胸を前>何のこっちゃ?
 
 3月にカイワスクールに初めて出かけた。アドバイスは近藤ユウコ先生であった。むちゃくちゃ上手いのでどこぞの方かと思ったら,東京都の国体選手であった。私へのアドバイスはぼろかすであったが、美人だから許す。<山足で立ち上がれ>とおっしゃられ、胸をぐっと前に出された。えっ、そうなの、とその時思ったが、その姿がかっこ良かったので、印象に残った。
 
 4月に都連の研修会に出かけた。早朝タイムレースがあり、前走は五藤伯文さんだった。どんな滑りをするのかしっかり見ようと目を凝らした。ポールを過ぎたあとの立ち上がり、と言うよりはスッと伸びる方向が真下に向かっていた。
 
 5月の連休は雪が見る見る溶けていった。それでもカイワスクールの方たちは、コース整備を熱心におこなってアドバイスを行っていた。その時の一言である。<いつまでも足を伸ばしていては、スキーが体から離れていってしまう、フォールラインを過ぎたら谷足に体を近づける>そうすると板が回り込む。
 
 ターンが1つにつながるのに、3ヶ月を要した。この時私は氷解という表現をした。スキーが分かった。さーこれから練習と思った時は5月の中旬も過ぎていた。氷解とともに、雪解けも訪れた。
 
'03.10.13

 '04シーズンも始まろうとしている。'03シーズンをふり返れば、自分も随分うまくなったものだと思う(誰も言ってくれないので、自分で言う)。しかし、初心忘れるべからず。
 
 先シーズンはレッスンをたくさんの先生方から受けた。ざっと上げると、ミズノキャンプでの菅平スクール所属の竹村さん(元デモ)、岩岳スクールの清水さん(ミズノコーチ)、戸隠スクールの斉藤有砂講師、西沢準一講師、KSCの近藤裕子コーチ、吉川コーチ、佐伯幸デモ、浦佐スクールの高橋万次郎先生、番外編でチーム八のジャイアンさん。
 指導を受けるということは人との邂逅である。1シーズンでこれだけの方々に教えを受けたことは、これまで無かったと思う。

 '02の11月、このシーズンは初雪が早く訪れ、11月から滑り込みを開始した。快晴の気分の良さもあり、”11月で仕上がっちゃいそう”という名言を吐いたものだった。今思えばまだまだ子供だった。”初心忘れるべからず”という言葉を知っているだろうか。世阿弥の花伝書の中の一節である。この言葉は、初々しい気持ちを忘れるなという意味だけではない。何処まで行ってもさらに、その奥がある事を忘れるなという、もうひとつの意味がある。スキーの道も全く当てはまる。自分は旨くなったと思っても、それは驕りであるという戒めの言葉である。

 現代は、Videoという、文明の利器がある。'02.12月の滑りと、'03.5月の滑りを比較することが出来る。明らかに違っている(再び、誰も言ってくれないので自分で言う)。ターンに前半に何を求められているのか、戸隠スクールに行き始めたころから 斉藤講師にいろいろ言われ、??が出始めた。KSCでも近藤裕子コーチに言われたが、依然体得できなかった。秘伝を授かったのはユキデモレッスンの時である。その熟成と第3者評価 を受ける前に'03シーズンは終了した。来るべき'04シーズンが待ち遠しい。

 '04シーズンはどんな課題が待っているのか、タイムは速くなっているのか。楽しみは尽きない。

つづく