A単位 テールコントロールの定義
TOPを支点とした自転の動きがあること。
1.プルークボーゲン
谷回りにおいて、外足の伸ばし(抜重)とTOPを支点とした回旋を使ってテールを開きだして、弧をつくる。・・・これはテールコントロールの小回りに繋がる技です。
山回りは荷重をかけて回して行く。
(図は省略)
お手本とまではいかないですがプルークボーゲン。
スタートは斜行から、1回立ち上がってから舵取りに入るとリズムがとりやすい。
2.シュテムターン
これは大回り種目なのですが、とてもリズムが大切な種目です。舵取り〜切り替え〜舵取り〜切り替え〜、以上のリズムはパラレルターンの基本リズムですが、すでにシュテムターンでもこのリズムを持っているのです。
切り替えにおいてシュテム動作に移行するわけですが、斜滑降に移行する比較的早い時期に山足のテールを開きだします。
ここで開きだしの時は体の向きを変えずに、谷足の上に立ち上がります。・・・重要
開きだした後はスピードを殺さずに斜行して行きます。
当然テールコントロールですので、舵取りはテールを外に押し出しながら回転弧とスピードをコントロールします。この時外足のTOPを内側の肩で押さえると、外向外傾姿勢がとれてきます。
・・・重要
シュテムターンはとても難しい種目でして、完成
に5年はかかると覚悟してください。
筆者の神の領域に入ったシュテムターンです。
3.パラレル小回り
ここではテールコントロールの種目となります。
ターンの前半谷回りでは抜重、回旋を使いテールを外にズラシながら谷回りの丸い弧を作ります。
ターン後半の山回りでは荷重をかけて、テールを外に押し出していきます。
このような前半と後半の操作はプルークボーゲンにおける外足の操作との共通性をもったものとなります。
切り替え時の体の軸は垂直のままでは雪にエッジが立っているので回旋できません。抜重するときに斜面に合わせて傾くことで、回旋できるポジションに移れるのです。
里吉デモからの秘伝のテールコントロール小回りです。
B単位 トップ&テールコントロールの定義
足元を中心とした、自転の動きがあること。
4.パラレル中回り、大回り・・・その1
種目としては大回りが要求されていますが、中回りも出来るようにしておきましょう
リズムはシュテムターンでも述べたように、切り替え〜舵取り〜切り替え〜舵取り、のリズムをはっきりと見せるようにします。言ってみれば、基礎パラのリズムと同じなのです。
切り替え部分の重心移動が、重要なポイントとなります。前述、テールコントロールでは切り替えの重心移動は垂直から斜面に合わせて傾く所まででしたが、トップ&テールコントロールでは更に、重心を谷まで移動させて、スキーの角を立てます。
スキーの進行方向に対して重心を山側から谷側に移動することが、切り替え時に行う主な仕事です。
中回りと大回りの違いは、切り替えの重心移動の方向で区別します。斜め横に移動しながら重心下に落としていくと大回り、横方向ではなく重心を下に落としていくと、中回りとなります。
ここで呼吸法を意識して使うとリズムが出てきます。切り替えで吸って〜舵取りで吐いて〜吸って〜吐いて、を繰り返しおこないます。
以上切り替え部分の大切さを述べて来ましたが切り替え部分はトップ&テールとトップコントロールの違いは区別はしずらくなっています。(トップコントロールはスタンスが広く、内ひざがガニっている点がやや異なる。)
ただしテールコントロールとの違いはスキーの角が立つまで重心移動する所が違っています。大回りは高速急斜面の中での切り替えになります。重心をどこまで移動させていくかを意識して切り替えてみてください。
次は舵取りです。
舵取りはテールコントロールより角を立てて、ずれないようにして滑って見てください。定義ではスキーのセンターを中心に弧を描きます。
従って、ターン前半は内向、内傾の上体の向きが出てきます。ターン前半から外向、外傾の形で弧を作ると、テールコントロールに見られます。・・・重要
5.パラレルターン大回り・・・その2
パラレルターンの切り替えの質を上げる練習方法として、佐伯ユキさんのレッスンが非常に参考になります。そのエッセンスをお伝えします。
切り替えの時の重心移動を、おでんの鍋にたとえます。手を伸ばして両手でおでんの鍋を持ちます。真っ直ぐ持ち上げてください。熱いので鍋を横にすると、おでんがこぼれて火傷します。
おでんの鍋を両手で持って、コンロを右から左へパッとかけかえます。この動きを切り替えの時のパッと行います。
お鍋を持たない時は、山側の手の平で谷スキーのトップを押さえに行きます。切り替え〜舵取り〜切り替え〜舵取り、このリズムは同じ。
まっちゃんの滑りがこの実例です。
6.パラレルターン小回り
トップ&テールの整地小回りは検定種目には有りませんが、普通はこれで滑りますので、ポイントを述べます。
練習段階は2段階となります。中急斜面程度で練習していくのがよいでしょう。
最初は外足のズレに乗って弧を描く練習です。テールコントロールのズレと違う点はスキーのトップもテールも同時にズラして弧を作るのです。
切り替えは谷開きシュテムをして見ましょう。Rが小さい板は横へズラしても弧が出来るのです。
急斜面小回りは外足だけでは、弧が下にずり落ちて行きます。そこで内足も活用することになります。
内足のズレに乗る技を覚えてください。
内足の面に乗って、ズラして弧を描きます。最初は中緩斜面くらいでやってみましょう。横へのスペースが非常に楽にとれるようになってきます。
内足のひざを折りたたむとうまくズレに乗って行けます。
内足のズレがマスターできたら、斜度を上げ谷回りから、内足を活用してズレに乗って弧を描いて見ましょう。
ここで切り替えのスペースをとることも忘れてはいけません。
以上はかなりな高等技術なので、筆者は来期に持ち越しの課題となっています。カリカリ急斜面で(志賀ジャイアント、車山小回りバーン、戸隠チャンピオンの様な)安定して降りてくる技術のようです。
7.プルークターン
緩中〜中斜面の設定が検定斜面となります。ここを浅回りで6ターンするのですから、思ったより高速で滑ります。1ターンづつ味わっている暇は無いのです。
筆者の受験会場は北海道でしたが、道連と都連では明らかに違った滑りかたをしていました。道連でも都連でも合格していたので、現状では玉虫種目なのでしょう。
まず、ターンのリズムは基礎パラです。舵取り〜切り替え〜舵取り〜切り替え。スタンスは広めで、舵取りはレの字、切り替えは二の字にスキーを動かします。
トップ&テールの種目ですので、外足を前方にズラしていくと、それらしく見えるのです。内足はたたむことで、同調を見せます。
ズラす方向は前なのか、横なのか、後ろなのか、テールをずらすのか、全体をズラすのか、トップをズラすのか、指導員は自在にずらせなければいけません。
あまり自信ありませんがプルークターン2004年版。
プルークターン2005年版
8.パラレルターン小回り不整地
いわゆる、コブ斜の小回りです。コブを語るのは100年早いのですが、一応私なりの理解です。
テールコントロールの小回りではありません。要求はトップ&テールコントロールの小回りです。
どうしたらトップ&テールらしく見えるのか。ポイントは2点です。
第1はコブ中腹での伸ばし回し。
第2はコブを超えてからのトップからの先落としです。
ストックはコブの裏に突き、外手は伸ばして次のコブを狙っておきます。
習うより慣れろの種目ですが、ちなみに筆者はコブで飛ばされ負傷しましたので、シーズンを棒に振らないよう気をつけて滑りましょう。
お手本の滑り・・・ご参考
C単位 TOPコントロールの定義
テールを中心にトップが回転していく自転の動きがあること。
9.トップコントロール中回り
切り替え〜舵取り〜切り替え〜舵取り、をハッキリ演技します。トップ&テールの切り替えでのべた様に切り替えの方向は斜面を下に向かって重心移動を行います。大回りとはこの切り替えの移動方向の違いにあります。
舵取りではスキーのスタンスはオープンよりやや広く(ワイドまで広げない)、内ひざをガニ股にして切り替えを行い、スキーの角が立つまで重心を谷に移動します。谷足の小指付け根の1ポイントで体を支えられるまで重心を移します。
切り替え区間ではいっきに重心移動しないこと。息を吸いながら滑らかな重心移動をしてください。
次に舵取りに入ります。とにかくトップエッジを雪に食い込ませて、ズラさないですべればいいのです。
舵取りでは内足をたたんで、沈み込む運動をします。こうすると、外足に荷重が掛かり、スキーが撓みます。
テールをズラさずトップを雪に食い込ませてターンしていく技ですから、ターン前半は上体と腰が外を向くことはけっしてありません。ターン前半外を向いてターンしていれば、それはトップ&テールのターンとなって種目が違います。
ターン後半では切り替えの準備に入りますので、上体と腰は谷を向いた状態を維持します。深回りをしすぎると上体は山を向いてしまい、切り替えに移行出来なくなります。結果としてターン後半は上体が外を向いた形が出ます。
リズムは舵取り〜切り替え〜舵取り〜切り替えの基礎パラのリズムと同じになります。
トップに荷重する練習として、ブーツで山を向いて斜面に立ってみてください。感じがつかめます。
トップコントロール中回りのお手本です。
10.トップコントロール大回り
大回りと中回りの違いは切り替えの移動方向の違いだけです。大回りでは横へ移動します。
呼吸法を行います。
切り替え(吸って)〜舵取り(吐いて)〜切り替え(吸って)〜舵取り(吐いて)
以上でバッチリです。
斜度も中斜面なのでまったく問題ありません。
11.トップコントロール制限滑走
シングルポール、スラロームに近い中回りで滑ります。リズム変化に対応できるよう、ポール練習はしておくべきです。
雪質はハードパックと思ってください。タイム計測はしますが参考値です。気楽に行きましょう。
ズレズレの滑りはトップコントロールのカテゴリーから外れます。角にのってズレないように滑りましょう。
ポールの狙い方のタイミングとして、ポールの横を通過する時は、舵取りはすでに終了していること。つまりポールを上から狙っていくことが大切です。・・・重要
狙うポールは2本先を狙って、ターンを仕掛けていきます。これも習うより慣れろの種目になります。できるだけ時間を作ってポールに入ってみてください。
完走しながらタイムを上げていくことが大切。ポールの側を狙うとタイムは上がりますが、リスクも大きくなります。検定ではタイムレースではないので、完走がまず第1ではないかと思います。
・・・以上’05シーズンに向けてポイントを整理してみました。・・・
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