正しい食事「食養(マクロビオティック)」

***** 高橋健康指導センター *****

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 現代日本人の多くは、ヨーロッパで生まれた「現代栄養学」を基準として食事をしています。

 現代栄養学は、蛋白質、脂質、糖質(炭水化物)、ビタミン、ミネラル、繊維質などの栄養素を、バランス良く摂取するようにと指導しています。そして「栄養所要量」で年齢別Kcalを設定して、1つの方法として、4つの食品群から食品を選び、年齢別kcalを賄うように指導しています。(例として、第1群 乳製品、卵。第2群 魚介、肉、豆製品。第3群 緑黄色野菜、淡色野菜、果物。第4群 穀物、砂糖、油脂、菓子類、種子類。)そして、摂取する食材は、世界中どこの地方の物でもかまいません。つまり、栄養素があれば問題ありません。また、化学肥料や農薬が使用されていても言及していません。

 このような栄養学に対して、東洋医学の中から生まれた栄養学「食養」は、次のような原理に基づいています。

1、     身土不二

 人間は土から採れた作物により、生命を維持しています。また、言いかえれば土から採れた作物で、自分の身体が出来ていますから、身体と土は切り離す事が出来ないと言うことです。日本人であれば、日本で採れた作物を食べる事が、身体に一番合っていると言う事でもあります。

*どんな食材を誰が(体質)、何時(季節)食べたらよいかは、陰陽の原理を使います。

*陰性()と陽性( 

北極は寒いので極陰性です。( 

寒い地方では、身体が温まる食べ物()を食べなければ生きていく事が出来ません。この地方で採れる物は、アザラシ、トナカイ、熊などで、生肉を食べます。つまり、生きている動物ですから、極陽性()です。

赤道直下は暑いので極陽性です。(

暑い地方では、身体を冷やす食べ物極陰性(を食べなければ生きていく事が出来ません。この地方で採れる物は、タロイモや椰子などの果物です。

 これらは身体を冷やす物ですから、極陰性()です。

これらの表示を整理すると、極陰性 (

              陰性  (

              中庸  (○)

             陽性  (

                  極陽性 ( 

日本は北から南に長く、気候は、温帯から亜熱帯に属します。したがって、四季がはっきりしていますが、北海道と沖縄ではかなり差は有りますから、修正は必要ですが、本州を対象に話をすすめます。この四季に、陰性と陽性を当てはめてみると、冬は陰性ですから、陽性の食べ物を摂る事が必要です。春の気候は少しずつ陽性になってきますから、少しずつ陽性から陰性の食べ物に移行していきます。夏は暑いですから、陰性の食べ物が必要です。秋は少しずつ陰性になってきますから徐々に陽性の食べ物が必要です。 

  作物などの陰陽

簡単には、旬の露地物を考えればほぼ間違いが無いでしょう。春から夏にかけて採れるものは陰性で、秋から冬にかけて採れる物は陽性です。ハウス栽培の作物は注意が必要です。動物、鳥類、魚類は陽性ですが、日本民族に合っているのは魚類の小魚、近海魚です。別紙一覧表がありますから参考にしてください。

  体質の陰陽

陰性タイプ 

寒さに弱く、秋から冬にかけて調子を崩します。暑さに強く、春から夏にかけては元気です。比較的厚着で宵っ張りの朝寝坊タイプ、午後から夕方にかけては調子が上がります。何事に対してもとりつきが遅く、しかし、やりはじめると、じっくり、コツコツとりくみ、しんぼう強く、凝り性タイプ、比較的やせ型。 

陽性タイプ 

暑さに弱く、夏は汗をかき夏ばてしがち、冬には強く、寒くても薄着で平気です。早寝早起ですが、午後になると調子がさがりミスが増えます。とりつきが早く、のみこみも早い、はりきり屋だが疲れやすく長続きしません。一般的に太り型。春から夏にかけては調子が悪く、秋から冬にかけては調子がよい。

中庸タイプ

このタイプは陽性と陰性の中間、食養を実践しているとこのタイプになる。悟りを開いた穏やかさを醸す人です。性的には、男性は陽性型、女性は陰性型です。陽と陰は引き合う性格がありますから、一緒になり二人で中庸になることで、素晴らしい生涯を送ることが出来るのです。

2、一物全体      

*全体食と部分食

丸ごと食べる事が一物全体です。丸ごと食べるということは、その中に多くの栄養素が含まれているからです。

写真は玄米ですが、玄米と白米を比較するとこれだけの違いがあります。白米は、米と白で粕と書きます。多くの日本人は、粕を食べています。つまり、部分食と言う事です。部分食をすると、副食を多くして不足している栄養素を補う必要が生まれますから、食べすぎてしまうことが多くなります。 

また、物質文明社会は、経済が優先です。最小の労力で最大の効果を生むことが、経済の目指すところです。したがって、化学肥料や農薬を使用します。化学肥料や農薬は出来る限り、少ない事に越した事は有りません。作物も自然農法で栽培することで、作物自体の力が強くなるからです。味も美味になります。 

また、食品は大工場で大量生産されます。そのために食品添加物を使用します。つまり、本質よりも見た目が大切に考えられていますから、匂いを付け、お化粧をして、日持ちもよくすることで全国に配達でき経済的です。食品添加物と云う薬剤を使うことで可能になりますが、人が食して害はあっても、栄養にはならない物質です。

☆要注意の添加物(よく目にする添加物)

「亜硝酸ナトリウム(発色剤)・アスパルテーム(甘味料)・亜硫酸ナトリウム(漂白剤・防カビ剤・酸化防止剤)・安息香酸ナトリウム(防腐剤・保存料)・食用赤色何号・青色何号・黄色何号・緑色何号(着色料)・過酸化水素(殺菌料・漂白剤)・ソルビンサン(防腐剤・保存料)スーパーの野菜を見ると、大根でも葉が付いていません。葉も一緒に食べることで全体食になり栄養バランスが摂れるのです。また、根菜類なども皮ごと食べると、多くの栄養素を吸収することができます。その面でも自然農法が理想です。魚の売り場に行くと、丸ごと食べられる魚は、小さい魚です。少し大きい魚は、切り身になっています。全体食の原理から考えると、全体を食べることが大切です。 

  酸性とアルカリ性

私達の身体の体液は、中庸(PH7,40+−0.05)に保たれています。この数値が低くなれば酸性、高くなればアルカリです。中庸が大切な理由は、免疫力の「白血球」が働きやすい環境だからです。

食べ物を見ていくと、多くの食材は酸性です。酸性かアルカリを判断するには「食品成分表」で、カルシウムが多ければアルカリ性、リンが多ければ酸性です。(酸性食品、アルカリ性食品分類表参照)

動物性食品は、酸性ですが、骨や内臓にはアルカリ性成分が多く含まれています。酸性とかアルカリ性とかは、含んでいる、酸性のミネラル、アルカリ性のミネラルで判断します。

少し難しくなりますが、マイナスの電気をおびているミネラルは酸性、プラスの電気を帯びているミネラルはアルカリ性です。お魚を食べるとします。パックに入っている切り身を食べますと、リンと硫黄と塩素の酸性のミネラルが主に含まれていますから、酸性体質になります。しかし、頭も骨も内蔵も食べると、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、鉄などのアルカリ性のミネラルを摂取する事が出来ますから、体質が酸性に傾きません。したがって、動物性食品を摂る時も、全体食を心がける事が大切であるという事が、お分かり頂けると思います。 

3、医食同源

食べ物は薬、台所は薬局です。食べた物は自分の血になり、肉になり、自分の風貌を形づくります。

左は肉(陽性)ばかり食べている人の顔です。凶暴性を帯びてきます。左は食養を(中庸)実践している人の顔です。穏やかな菩薩の顔になります。

人間が食する物(食性)を食べていると、血液はサラサラとしていてきれいです。間違った食材、また、食べ方を間違えると、血液は汚れ病的になります。食材を選ぶ時に大切なことは、有機栽培(有機の表示は無農薬でもあります)の食材を選ぶ事です。できなければ、せめて低農薬にしたいものです。また、食品添加物は少なければ、少ないに越した事は有りませんから、加工食品は極力購入しないで、自分で調理することです。なぜならば、環境ホルモンの障害を受け体調が悪化するのみでなく、思わぬ病気に侵される確率が高くなるからです。

このようなことを云うと「先生食べるものが無くなります!」と云う方が殆どです。自分で作るのは、一口には大変ということですが、ここで学習が大切なのです。学習すると「神聖な肉体に毒に近い物を取り入れることはできないのです」これは私の考えです。やせ我慢ではなく、多くの副食を取る必要はないので危ない加工食品は購入しませんと考えます。

*主食、副食の割合の決め方

人間の歯は、合計32本あります。内訳は、臼歯20本、門歯8本、犬歯4本です。臼歯は穀物を食べる歯で、門歯は野菜、海藻を食べる歯です。犬歯は肉、魚を食べる歯です。この歯の数で食べる食材の割合がでます。

穀物6割、野菜海藻3割、魚1割位が食事をするときの目安になります。

  噛むことの大切さ

噛むことが少なくなると、顎の発達が悪くなり虫歯や歯周病にかかりやすくなります。また、噛むことで、大脳が刺激されボケ防止、ストレス解消、肥満防止にもなり、唾液の分泌が増える事で消化が促進され、発癌物質などを無害化することもできます。また、若返りホルモン「パロチン」などの効能で新陳代謝が旺盛になり若々しく生きられます。

私の食卓

私は健康を維持する食事として日ごろこのような食事を摂っています。

☆主食 玄米に小豆や黒米、押し麦などをいれて炊きます。時折、玄米粥、7分搗きも食します。

玄米は一口100回を目標にして噛みまくります。噛むと甘みが出て美味になります。この味が分かると白米を食すことは愚かにみえてきます。一日二食で、お腹も軽く頭も冴えます。 

☆副食 *キンピラ

ゴボウ、ニンジン、レンコン、三種で作ります。ゴボウは整腸作用が強く腸を整えます。ニンジンは造血作用が顕著で体を温め細胞を引き締めます。レンコンは気管、肺の細胞を活性化させる働きがあります。

*切り干し大根

切り干し大根は万能薬です。血液をきれいにしてコレステロールを下げ、血圧を安定させます。動物性食品の過食で肝臓を悪くしている方、アトピー性皮膚炎、花粉症などにも有効です。ニンジン、油揚げ、高野豆腐、ヒジキなども加えても美味しくいただけます。 

*ヒジキ                   

ひじきは海藻の中で最も陽性で、細胞を引き締める働きが強い食品で造血作用のあるにんじんと組み合わせるとよい。また、れんこん、油揚げ、しらたきと組み合わせても美味しくいただけます。 

*あずき南瓜

糖尿病改善に最適ですが、腎臓も強くしますし尿の出をよくします。糖尿病の方はネギのひげ根を細かく刻んで入れるとよいでしょう。腎臓の調子を整えたい方は、毎朝一椀いただきましょう。陽性の料理ですから陰性な方にもおすすめです。

私の定番副食は以上の4品です。この副食3品と漬物「タクアン」4品、そして味噌汁です。副食定番4品は一食ごとに変えるという食しかたです。そして玄米には必ず「ごま塩」をふりかけて食します。そして定番の副食に日によって「野菜のおひたし、野菜の煮物、鉄火味噌、小魚、季節によって鍋物など」を加えます。 

*味噌汁は季節の野菜とワカメなどで作りますが、味噌は乳酸菌などの微生物の発酵で多くの栄養素をもっています。がん予防、生活習慣病、骨粗しょう症、更年期障害を予防する働きがあり、肝機能をたかめるメチオニン(必須アミノ酸)も豊富です。必須アミノ酸の含有量は卵に匹敵するそうですから、卵を余り食さない私は大いに利用します。また、乳酸菌など微生物は整腸をはじめとする体調維持に役立ちますから、必ず頂きます。

味噌汁は「昆布と干しシイタケ」で出汁を取りますから、スープだけでも美味になります。そして煮立った後少し冷めたところで、お椀にもった味噌汁に「味噌」を溶きます。味噌の芳香が漂い最高の味噌汁を頂きます。出汁をとった後の昆布と干ししいたけは、冷凍にしておいて溜まったところで「佃煮」にします。これがまた美味で栄養満点です。食養を学び15年の歳月が流れた中で、たどり着いた「私の食卓」はこのようなものです。この食事で病気知らずの日々が送れているのです。

また、食事は一日二食がほとんどですが、食べたいと感じた時は朝食もいただきます。でも、朝はほとんど「野菜ジュース・番茶」のみです。食す量は腹あんばいにより腹5分目から8分目を心がけて、玄米は100回を目標にしています。食欲を制御できれば仙人になれると云われています。確かにそれは難しいことと思いますが、最高の人生を送るためには食事も研究しながら、自分の身体で試験することもしています。「食べる事に神経質になることは愚かだ。好きなものを食べて楽しんで生きなければ生きている価値がない」と云う人がいます。それはその人の人生観ですから、否定はしません。

しかし、私は不健康な時代を経て、死ぬるまで「美味い物」を食べたいがために、日頃食事に気を遣い、健康を維持することで「食べられない。飲めない」体調に、実はなりたくないというのが本音です。