KORG DS-8
■■■KORG DS-8 Digital synthesizer■■■

 

 

Synthesis Method

FM(=Frequency Modulation) Synthesis

Voices

8 Voice(Poly mode)or Mono Voices(Unison mode)

Multi mode

8 part

Sounds

100Internal Program

Keyboard

61 Synth-action keys with Initialtouch and aftertouch sensitive.

Controllers

Volume, Joystick(Pitch Bend , Modulation), Single mode/Layer mode/Double mode/Multi mode Bottun,Balance slider, 3 Performance slider(Timbre /EG1/EG2),Data entry slider,Sustain pedal, 2 Assainable SwitchPedal/Program up switch inputs

Outputs

2Outouts(L/R), Phones.

Interfaces

MIDI In/Out/Thru

Expansion

1 Data ROM/RAM Card slot

Effects

Programable Multi Digital Effects

Comments

■音源方式は、カタログでは「デジタル音源」と記載されています。しかし

、実は4オペレーター2アルゴリズムのFM音源なのです。米Keyboard誌では、新製品紹介ページで「FMシンセである」と紹介しています。

 しかしエディット方式は、モーグ式アナログ・シンセシスに沿った流れのためあたかも2系統のオシレーターと2系統のピッチ/アンプEGを持つ減算方式シンセシスのように見えます。音源部分は、ヤマハの4オペレーターFMシンセ(DXの20番台)と全く同じものです。この頃のコルグは、業績の悪化から、ヤマハの傘下に入って間も無いころです。同じころ、プロフェット5でおなじみのシーケンシャル・サーキット社が、同じく業績悪化から、ヤマハの傘下に入っています。

FM音源であるにもかかわらず、それを公表しないため(特許等の問題でしょうか)、鋸歯状波と矩形波と、それらのバリエーション波形をオシレーターに持っています。ヤマハSY/TG77やTX81Z/V2/V50に先駆けて、すでにキャリアの中にFM変調された波形を搭載し、音作りのバリエーションを広げることと、音作りのプロセスを従来のモーグ式になれたユーザーや初心者に分かりやすくすることに苦心するあたり、当時のコルグの「シンセ=音を作る道具」という図式にこだわる姿が伺えます

 プリセット音の傾向ですが、4オペFM特有の出音の細さは否めません。だが、シンセリード系やホイッスル、小鳥の鳴き声(!)など「DW-8000と同じ音」と思えるほど、FM臭さのない音色も多くプリセットされています。

 どちらかというと低価格帯(14万2千円)のシンセであるにもかかわらず、なんとタッチセンス付き鍵盤が奢られてており、音の表情を豊かに演出できます。プログラマブル・マルチ・エフェクターを搭載しており、ディレイ、コーラス、フランジャー(リバーブは無い)になるすぐれ物であり、この点もヤマハ製4オペFMシンセに対するアドバンテージでした。LCDも40文字2行という大きなもので、パラメーター表示も大変分かりやすくレイアウトされておりエディットは容易でした。もっとも、パラメーター数がヤマハ製4オペFMシンセに比べ格段に少ないためエディットが容易であったわけで、それはとりもなおさず、ヤマハ製4オペFMシンセほど繊細な音作りをつっこんでやることは不可能だということを意味していたのです。演奏中にエンベロープや、カットオフ周波数を可変(FMだから当然疑似、今でいうバーチャルアナログ。DS-8はバーチャアナの始祖なのです!!!)出来るパフォーマンススライダーを三つ実装、これがV2のクイックエディットのモトネタではないでしょうか!?

 これほど充実した内容を誇っていたDS-8ですが、コルグの思惑に反しヒットしませんでした。それはこのシンセの発表直後、ローランドから「D-50」がリリースされたためです。革新的な機能と、それを見た目にも強烈にアピールするルックス、そして何より今まで耳にしたことのない音色を引っさげて、D-50は衝撃的なデビューを果たしました。当然D-50は爆発的にヒットしました。その後Dシリーズの廉価版やヤマハVシリーズ、カシオVZシリーズなど、安価て革新的なデジタルシンセたちが次から次へとリリースされ、DS-8は誰からも見向きもされなくなっていったのです・・・・僕も、DS-8貯金を、D-50購入費用に回してしまいました。

DS-8で採用されたFM音源は、その後707というシンセに受け継がれます。この707、一見するとPOLY800の後継機といった感じですが、実は「デザイン重視路線」にコルグのデザイントレンドが変更されてきたことを予感させるルックスでした。ボタンもM1と同じ丸ボタンでしたし、ボディカラーが4色(ブルー、ホワイト、ピンク、ブラック)から選べること、そして何と言っても裏モードで世界初(!!)の天気予報機能を持っているのです。

まず0と2と4の3つのボタンを押したまま電源を入れます。これで天気予報モードで起動します。その状態ではFUNCTIONボタンが電話のフックの役割をしますので、それを押して下さい。そして177とテンキーを押しますとディスプレイに天気予報が表示されます。電話を切るためにはフックボタンを押さねばなりませんので、もう一度FUNCTIONキーを押して下さい。これで終了です。因みにもう一度FUNCTIONキーを押し177を押せば又表示されます。電源を切って、普通に起動し直せば天気予報モードは解除されます。尚、天気予報はあくまでも冗談ですので、予想の内容に関しましては責任を負いかねますので御了承くださいませ・・・・以上コルグHPでの解説より

それから十数年、PCMシンセの生々しすぎる音に少々飽き、替わりにFM音源の面白さに目覚め始めたころ、インターネットオークションで懐かしのDS-8が出品されているのを見つけ、即購入に踏み切りました。今こうして改めて音を聴くと、自己主張しすぎずオケによく溶け込むも、埋もれてしまわない独特の質感が心地よく感じられます。


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