自然の贈り物 ミツバチとハチミツ

                                       
ハチミツは天然の栄養剤と言われるはど栄養価が高く、テレビなどでも取り上げられ、ハチミツに含まれる成分や効果などが紹介されて、ハチミツがいかに優れた健康食品であるか再認識させられます。まさに自然が人間に与えてくれた 恵み なのです。

日本ミツバチの巣
日本ミツバチと巣   提供 宮川信幸氏

日本ミツバチと西洋ミツバチ

日本ミツバチは古くから日本にいる在来の野生のミツバチです。西洋ミツバチ(ヨーロッパ系)に比べると少し小型で、色も黒ぽっいです。日本ミツバチは神経質で環境が変わったりしたときは、巣を捨てて移動してしまうことがあります。日本ミツバチは大規模養蜂としては飼いにくく、明治以降導入された西洋ミツバチが飼育されています。現在、日本ミツバチは趣味として飼育している方が少数ですがおいでになります。
ミツバチの天敵はスズメバチです。特にオオスズメバチとキイロスズメバチによる被害が大きく、西洋ミツバチにとっては大変な脅威になります。日本ミツバチはスズメバチに対して防御手段をもっています。長い年月の戦いにより獲得した物で、西洋ミツバチは防御手段をもっていません。西洋ミツバチが分蜂 して自然巣を作っても、その年の秋にスズメバチに襲われほとんど絶滅してしまいます。このため日本には野生化した西洋ミツバチはほとんどいません。
飼育している西洋ミツバチでも、オオスズメバチに襲われると1日くらいで絶滅してしまうことがあります。
西洋ミツバチには、イタリアン種を含めて三種ほどいますが、現在、日本で飼育されているのはイタリアン種を主とする雑種がほとんどです。その他、アジアやアフリカなどに固有のミツバチがいます。

日本ミツバチの巣 日本ミツバチの巣
  提供  宮川 信幸氏 

上の写真は住宅の二階屋根の軒下に作った日本ミツバチの巣です。このような開放空間に巣を作ることは珍しく、普通は木のうろ、建物の戸袋、壁の間、屋根裏などに作ります。当地では冬には氷点下15℃以下になりますので、このままでは冬越しはむづかしいので、家主が秋に囲いをつけました。       (撮影11月下旬)

この割れ目の中の洞に、ニホンミツバチが巣を作っています。ここから2度分封しました。2度ともうまく捕獲できました

これは捕獲後、一週間ほどたったニホンミツバチです。洋バチ用巣脾で3枚の群でした。群が小さいので入り口を狭めてあります。
この群は捕獲後1ヵ月半程経ったニホンミツバチで巣脾が6枚入っています。もう一群は5枚群になりました。黄色い花粉を付けたハチが見えます。 これは以前から飼っている西洋ミツバチです。

私は現在(平成25年7月6日現在)、西洋ミツバチを1群と二ホンミツバチ11群を飼育しています。二ホンミツバチも、全群洋蜂用巣箱、巣枠を使用して飼育しています。今年は洋バチ一群から5リットルほど、二ホンミツバチからは春の蜂蜜が15リットルほど取れました。今年の春の蜜は、桜、りんご、アカシアが混じった蜂蜜です。洋蜂も二ホンミツバチもとてもおいしい蜂蜜になっています。ハチミツの量は気象に大きく左右されます。雨や霧の日が多いとほとんど取れないことも在りますが、晴れの日が続くと多量のハチミツが取れます。
趣味でミツバチを飼育する場合は西洋ミツバチが飼育しやすく、また養蜂業者から簡単に購入することができます。飼育に関しては各種の本が出版されていますので参考にすると良いでしょう。また近くで飼育されている方がいる場合は指導していただくと良いでしょう。これが一番良い方法です。私が飼い始めたのは西洋ミツバチからです。そのとき近くに西洋ミツバチを戦後すぐから飼っていたベテランの方がいて、いろいろなノウハウを手取り足取りすべてを教えていただきました。またその方は二ホンミツバチを飼育したこともあり、その時の話も聞かせていただきました。二ホンミツバチの飼育でも、そのノウハウが大いに役立っています。

採蜜の様子

巣を取り出し蜂を振り落とします。

遠心分離機で蜜のみ分離します。

分離機から流れ落ちるハチミツ。

アカシアの花
アカシアの花 トチの花

アカシアのハチミツは香り、味とも癖が無く一級品です。純度の高いアカシアのハチミツの色は薄い黄緑で、透明度が高く、市販されている一般のハチミツと比べると、その違いに驚きます。ハチミツにはレンゲ、ミカン、トチ、などの国産のハチミツがありますが生産量が少なく、価格も高いです。スーパーなどで販売されているハチミツのほとんどは、外国からの輸入ハチミツです。
ハチミツは、ミツバチが花の受粉をする代わりに、植物が用意したお礼なのです。ハチミツには各種糖類、ミネラルなど、自然の恵みがいっぱい含まれています。自分で取ったハチミツの味は格別です。ひとなめすれば、口の中に自然の恵みが広がっていきます。これほど贅沢なことはありません。

ハチミツは常温で保存しても問題ありませんが、長期保存する場合は5℃〜10℃程度で一定の温度が保てるところに保存するのが一番良いでしょう。10年以上経ってもわるくなることはありません。白く結晶した場合は、50℃ほどで湯せんし、時間をかけて溶かします。

ハチミツは一歳以下の乳幼児には与えないでください。