幻の花
トガクシショウマ (戸隠升麻)(トガクシソウ)
メギ科 トガクシショウマ属(トガクシソウ属) Ranzania japonica T. Ito
【分布】本州の中部、北部の多雪地帯。本邦特産属。
【花期】5月下旬から6月下旬。
【草丈】30〜50p
国指定(環境省)レッドデータ―ブック絶滅危惧U類(VU)指定種。
トガクシショウマは一属一種、本邦特産の日本海要素を代表する植物で、長野県の戸隠山で最初に発見されたためこの名前がついています。
分布は日本海側の多雪地帯に多く、白馬、戸隠、尾瀬をはじめ、北は青森県まで分布しています。
個体数は少なく、自生地での生育範囲も狭く、絶滅が心配されています。
葉は三出複葉で2枚付き、葉の基部に数輪の花を付けます。花はすこし赤みが混じる淡い紫で、花弁に見えるのは実はガク片で、花弁はつぼ型で、色は黄色、オシベを取り囲むように付いています。花は自生地では5月下旬から6月下旬ごろに開花します。
果実は液果で、はじめ緑色をしていますが熟すると白くなります。大きさは、短径約1p、長径1.5pほどの大きさで、中にごま粒ほどの大きさの種子が、15ほど入っています。果肉は甘く、香りも、あまり経験したことのない、甘いにおいがします。果実は落下すると、アリなどの昆虫がすぐに集まります。
発芽1週間ほどたった苗 |
発芽2年目の苗 |
トガクシショウマは種子からよく発芽します。貴重な植物でから、トガクシショウマを栽培している方は、種子からの繁殖をされたらよいでしょう。
トガクシショウマの栽培方法については趣味の山野草、1986年11月号をご覧ください。
トガクシショウマの実生栽培法として、 掲載されています。