雁田山(karitayama)

(標高786m) 小布施町

コースタイム 
[上り] 辷り山登山口〜1時間分〜反射板〜15分〜四阿休憩所〜10分〜姥岩〜20分〜千僧坊〜5分〜滝ノ入城跡
[下り]滝ノ入城跡〜5分〜千僧坊〜30分〜大城〜20分〜小城〜10分〜岩松院〜25分〜辷り山登山口
標高は低いが歩き甲斐のある山
  標高は僅か786m。小布施町の標高が350m程だから、標高差300mちょっとの山である。雁田山の名前の由来は、「雁が羽を広げたような形」ということらしい。この山は南側が採石場で、長野市側からも大きくえぐられた無残な山肌が見える。だから雁田山は知らなくても、須坂市の採石場のある山と言えば分かるはずだ。春、レンゲツツジが一際鮮やかに咲いている。こんな街の近くなのに騒音やひと気がほとんどない。しかしコースは、とても変化に富んでいて面白い。  
松川付近から見た雁田山遠景
辷り山登山口から雁田山を一周するのがいい
 

小布施フローラルガーデンから見た雁田山
 野良仕事のおじさんに聞いたら、「雁田山は、南側のスベリ山の方から登ったほうが楽だよ。わしらが子供の頃は辷り(スベリ)山で松の枝を尻の下に敷いて滑って遊んだもんだ。」と話してくれた。                     
 登山口をスベリ山にすると下山は岩松院で、この間は約1.5km、25分程かかる。山際で、リンゴやブドウ園の脇を歩く遊歩道は道がよく整備されているので、縦走してきた山を仰いだり、果物を見たり、途中の浄光寺のお焼き、清水を味わったりするのも楽しい。
 
大岩がゴロゴロと目立つようになる
 登山口はフィールドアスレチック公園北側の小尾根の先端にあり、ジグザグに上がる。所々に丸木の階段が設置され迷うことはない。この山もマツクイムシの被害木が多い。地元の人が「赤っぱげ」と呼ぶ、ざらざらしたハゲ地を過ぎると大岩(二の岩)があるが、この先横に縞の入った大岩が目立つようになる。この山の岩は、板状節理のようだ。
秋、落ち葉がたまって気持ちよいクッションに
 左側の大岩の上に立つと北西に展望が開け、足元には緑の畑が広がり、春にはりんごの花やタンポポがジュータンのように見える。秋には、落ち葉がフカフカに溜まっているし、葉の落ちた木々の間から北信濃の風景が広がって見える。
   
一等三角点のスベリ山の展望は素晴らしい
 
 ジグザグの急傾斜の尾根を上がると「スベリ山入口0.95q、反射板0.35q」の標識がある。ここからはやや左に進むが、春、ここの雑木林にはカタクリが見られる。腰高の笹薮の中を100m程上がるとスベリ山の頂上に着く。ここには一等三角点の他、「反射板」の説明板と「千僧坊1.20q、すべり山入口1.30q、鬼のつぼや0.15q」の標識がある。ここまで約1時間だ。
 無線の反射板は、土台のコンクリートのみ。西半分が広く切り開かれていて、展望は素晴らしく、小布施町内の他、高速道路、新幹線、千曲川の景色が広がる。
 
 一等三角点の脇から鬼のつぼやに下ると、その先は、採石場の断崖の上に出る。巨大なショベルカーと巨大なダンプカーがすごい音をたてて動いている。まるで別世界に来た感じだ
   
物見岩、ヒナン岩、展望園地
 
 登山道は、幅が0.5〜1mで、丸木の階段がある岩混じりの道。150m程で小さなコルに出るが、少し上がると突然高さ3m以上もある大岩が出現する。80p程の岩の間を通る所が物見の岩。左の岩に登り、80pの隙間を跨いで右の大岩に上がると高山村方面の展望が開けるが、岩上は斜めなので、自信がない方は登らない方がよい。下は絶壁だ。
 物見岩から50m程で、ヒナン岩がある。岩の下が空いていて、大人なら無理をすれば2〜3人は入れる。雨などの時には、避難できそうだ。
 
 反射板から15分程の所には展望園地があり、四阿がある。麓から四阿の四角い屋根が見える。展望は辷り山よりも高度感があって最高、北側には2本の白樺の木が残っている。
   
姥石
 
 展望園地から平坦の尾根を100m程進むと下りになる。左側は崖だ。ここで更に100m程急に下ると左側が開ける。 コルに大きな岩場のある所が「姥石」である。
姥石
 山麓から見ると、子供に寄り添う大人のように大きな岩が空に突っ立っている。昔、遠洞湖田んぼは、一面の湖水だった。雨期になると大洪水になり、水田が荒らされるので洪水のときは、全く恨みの湖だった。そんなときある姥が孫と一緒に雁田山に登った。眼下に満々たる湖を眺めて姥は、「きれいな湖だのお」と感嘆した。そのとたんに姥と孫は石になってしまったという。高さ10m 姨石とも呼ばれる。
   
千僧坊から滝ノ入城跡へ
 
 「姥石」からは、岩の右側に回って、小さなピークを3つ越えるが、50mから100mくらいの間隔で適当なアップダウンがある。途中、左斜面に白樺の木があり、白い幹が良く目立つ。
 100m程下って平らなコルから今度は100m上がる。途中、木の土留めの階段を上がり、岩場を過ぎると丸く平らなピークの「千僧坊」に着く。広さは15m四方程、20〜30年生のカラマツが林立し、展望は効かない。展望園地から約30分だ。ここからは右斜め方向200m程の屠屋場山に行っても良い。頂上は雁田山系で標高が最も高い滝ノ入城跡がある。三等三角点があるが展望はない。
千僧坊
 782.9m コース中の最高峰である。約10万年前松川扇状地形成されつつあるとき火山活動によってできた雁田山脈。鳥が羽を広げたような形をしており、高井鴻山は、自分の雅号としている。(雁は鴻と同類の鳥)。千僧坊の地名は、岩松院の前身である千村会仏寺から由来するが、仏寺はこれより北方の字下入の山麓にあったといわれ、寺跡というより山城と思われる。
   
あたかも日本庭園。足元に注意して!
 
 下りはすごい急坂。小さな尾根を左右に曲がりながら掛け下りる感じで、ここには土留めの階段がある。また、途中からは白い太いロープ(立木に巻かれたロープが木に食い込んでいる)がある。この坂を上がるのは少々応える。秋、落葉して溜まった葉は滑りやすいので足元に注意が必要だ。
 
 急斜面を15分程下り、ちょうどロープが終わるあたりからは「やせ尾根」になるが、春はこの辺りからの雰囲気がすばらしい。形の良い岩の間に山ツツジが咲いて、それが新緑とマッチし、あたかも日本庭園のような感じがする。
大城と小城間の板状節理の岩場
 千僧坊から30分程で大城との鞍部に出るが、ここには大城を経由しないで岩松院に下る分岐がある。ここからは姥石が見える。大城は尾根の先端方向に5分程。空堀跡を小さくアップダウンして行くと東屋があるが、昔ここには城があったと説明板がある。東屋で昼食にしよう。ラジオからは、青葉城恋歌が聞こえている。
     
岩松院  
 
 さて、鞍部に戻って下山する場合は、マツクイムシの被害木を見ながらジグザグに下る。ここにも丸木の階段が多数ある。小城に下る場合は、急斜面の岩場が連続する。上りでも急坂だが、下りでは特にスリップしないよう足元に注意が必要だ。小城は何段もの石垣が見事に積まれている。しっかりしていて崩れることはないだろいうが感心してしまう。斜面にはカシワの木が多く冬場でも葉を落とさないのでここだけは紅葉が続いている感じだ。
 下って行くと岩松院裏の墓地に出る。
 ここまで来たら弁天池の水を飲み、岩松院の天井絵「葛飾北斎の八方睨鳳凰図」を見たい。また、「痩せがえる負けるな一茶ここにあり」の碑、そして蛙合戦で有名な池、福島正則の墓などもある。このほか、スベリ山の登山口の北側には、玉ねぎ状剥離の岩等もあって面白い。
  玉ねぎ状剥離の岩

小城の石垣
小布施町の観光も楽しみだ
 
 比較的街場に近いところに面白い山がある。小布施町の観光と組み合わせて登ってみるのも面白いと思う。コースタイムは一周4時間あればゆっくり。ツツジの見頃は5月連休、夏や秋にも晴れた日には楽しめる。
身近な所にもこんないい山があるんだ・・・。

                                   岩松院→

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