絵の具模様

野付半島 トドワラ


野付半島は知床半島と根室半島に挟まれた細い「ひげ」のような地形をしている。
潮の流れが創り出した「砂洲」でもあり、潮の流れに削られる地形でもある。
道の両側「海」で、陸地を走っていても、橋を渡っているみたい。



ここに来る前に、バスの運転手の人から、質問された。
「あなたは、トドワラに何を見に行くのか?」
私は、答えに困った。
観光ガイドの写真のイメージで・・・
「枯れていく松の、さみしい姿」と答えた。


それは、大きな間違いだよ。
トドワラこそ本当の北海道を見れる場所だよ。
北海道というと、広大な風景
その広大な大地に、人間が造ったパレットのような農地や牧草地
そのようなものはトドワラには存在しないが、
自然の姿で、大地の輪廻転生が見れる場所だよ
生老が見れる所だよ。


海水の浸食により巨大な松は、枯れていくが、
枯れて、土になり新しい大地をきずく土になり、
あたらしい土には、原生植物の小さな命が生まれ
小さな花をつけ、短い夏にミツバチを呼ぶため
他の海岸線の原生植物より一生賢明
綺麗な花をつける。




はるばる遠くから、トドワラに来たのだから
枯れた松と、足元に咲く
北海道で
一番きれいで、たくましい
花の姿を見てくるといいよ。
そして、自分の姿がどこに例えられるか
考えてごらんなさい。


ありがとう、観光バスの運転手さん
標津の食堂で、食欲もなく
ラーメンを食べていた
私に、貴重なアドバイス身にしみました。


そして、トドワラでは、自分の姿はどこにあるのか
考えがまとまらなかった。
落ち込んでいる姿は、枯れた松なのかとか
けっして、一生賢明咲く、小さな花には例えられなかった。

トドワラを見た後、
夕食は、せめて豪華にとるぞと
根室半島に向かって走って
道路沿いの食堂を探す姿に
私はミツバチに例えられると感じざるおえなかった。

なぜか、くじけそうになった時、野付半島を思い出す。
大地に根ざす努力を考えさせられました。



index


絵の具模様