カエルの解剖
1998.10. 信更中学校
1.はじめに
中学校2年生の生物分野では、ヒトのからだのつくりについて学習をします。その最後のまとめとして、カエルの解剖を行い、全体の臓器の配置や、胃の内容物、心臓の動きなどを観察します。
ところで、恥ずかしながらこの私、カエルの解剖は数えるほどしかやっていません。理由は、命を奪うことへの抵抗感もありますし、準備や後始末が大変だったこともあります。これまで、各器官の観察・実験はブタの内臓を使用し、全体の位置関係は左のような人体解剖図(作 杉原さん・京都パスカル とても良い教材です!)を全員に作らせてきました。
ところが本物の解剖死体を特殊な技術によりプラスチックで固めた「人体の不思議展」を見てから、資料集の図解と実物との違いなどから机上の作業で終わらせることなく直接経験も大切と考えるようになりました。
2.カエルの解剖
@麻酔

大きなガマ蛙でないと心臓の動きを観察したり、肝臓の呼吸や胃の内容物の観察などは難しくなります。幸いにも学校の周辺には豊かな自然のため写真のようなカエルが出没します。写真のビーカーはなんと3リットル・ビーカーです。
脱脂綿にジエチルエーテルをしみ込ませてビーカーに入れ、ラップで覆いました。
A手足を解剖皿に固定

本校にはこんなに大きい解剖皿はありません。そこで廃品で出されていた給食用天ぷらパッドのふたを皿代わりに、固定用の木板の代わりに段ボールを使いました。
麻酔の時間が分からず動き出したら大変と、顔の部分には麻酔に使った脱脂綿がかけてあります。
B筋肉を切り開き内臓を露出

体の中央に動脈が通っているので避けるようにして開腹しました。内臓を傷つけたり太い血管を切断したりしないように、ここまでは教師が行いました。
C解剖する生徒

生徒も最初の一切りに勇気がいるようです。当然教師もですが・・・・
一応、感染防止としてビニール手袋を使用させました。でも気休めかもしれませんので、手洗いや消毒などは必要です。
D解剖する生徒

結局、3学年の選択理科で1回、2学年の2学級で1回ずつの計3回解剖をしました。写真の生徒はショートカットですが女子です。
E切除した胃を切り開く

胃の内容物を確認します。この頃になると何人もが手を出したがります。
F胃の内壁と内容物

前日にバッタを食べたとの話がありましたが、足らしき物しか確認できませんでした。
G観察する生徒

解剖を終えたカエルを恐る恐るのぞき込みます。
H観察する生徒

内臓の位置や色、気づいたことなどを観察し、ノートに描かれたスケッチと比較したりメモを取ったりします。
I観察する生徒

こんなに真剣に観察してくれるとは思いませんでした。
J観察する生徒

心臓の動きを観察しています。
K観察する生徒

理想的には各班で解剖するのが望ましいのでしょうが、大きなカエルの準備を考えると各学級で1匹が現実的かも知れません。
3.肝臓細胞の呼吸を見る
@切除した肝臓をBTB溶液につける

5分ほどで肝臓の周りから緑色のもやのようなものが現れます。
肝細胞が呼吸を続けているため、周囲のBTB溶液が黄色に変色したのです。
A次第に黄色くなるBTB溶液

BTB溶液は酸性やアルカリ性水溶液を調べるほかに、呼吸による二酸化炭素の検出に使われます。
二酸化炭素が出てくると水にとけて弱酸性の炭酸に変わるからです。
B変色したBTB溶液

肝臓の周りが黄色く変化しました。
呼吸というと呼気だけを考えがちですが、からだをつくる細胞はみんな呼吸をしていることが分かります。

