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―― ロリコンについて ――

 ロリコンとは少女のみを性愛の対象とする人を指す言葉であり、アメリカの作家ナボコフが中年男性の少女に対する倒錯的な愛情を描いた小説の表題「ロリータ」からとったもので、ロリータコンプレックスの略語である――などと辞書で調べると書かれている。

 ロリコンというと近頃ではその多くが性犯罪にはしるようなイメージであり、大多数の良識あるロリコンの方々は「それは間違っている!」とそのことに憤慨されているかもしれないが、これは仕方のないことだと思う。一般の人はニュースから流れてくる小児愛の性犯罪者のことは知っているけれど、人様の迷惑にならないようこっそりと漫画やイラストなんかで発散させているロリコンの存在を知らないし、知ろうとしないし、知ることができない。私の周りにもロリコンがいるかもしれないし、それを隠している人がいるかもしれないけれど、正確な人数や個人を特定することはできない。でもニュースやネットに載っている小児愛の性犯罪者はハッキリとしたインパクトを持って知ることができるし、記憶にも残るし、人数もわかる。一般人の頭の中には不特定多数の良識あるロリコンより、どうしたって小児愛の性犯罪者の占める割合が多くなってしまうのだ。

 人知れずばれないように、迷惑をかけないようにしている良識あるロリコンの方々には申し訳ないけども、現代社会におけるロリコンのイメージはそんなこんなで最悪である。

 そんな私はと言えば、たまに小学生の頃好きだった近藤さんとかを思い出して胸が切なくなるのはどうなのだろうかとは考える。当時近藤さんを好きだった私はもちろん同級生の小学生であり、ロリコンではないのだが、今その当時の近藤さんを思い出してちょっと胸がキュンとなるいい大人の私はロリコン予備軍なのだろうか? 普通は幼い頃に好きだった女の子を思い出しても、その子を好きだった気持ちまでもは呼起されたりしないものなのだろうか? なんで蛍はすぐ死んでしまうのか?

 こんど機会があったら友人にでも相談してみよう。


 ちかごろは小児性愛をテーマにしたイラストや漫画なんかを所持することも規制されるような話を聞くが、これは乱暴すぎる。実写のように被写体として被害に遭う子供がいるものは規制してしかるべきだが、イラストや漫画にはそれがない。どっかのおっさんが汗水垂らして描いた絵を、どっかのロリコン男が汗水垂らして読むだけのことである。言わばオッサン同士のイメージによるバーチャルSEXである。何の問題があろうか?

 イラストや漫画でこっそりと発散をして満足していた人間は、これらの品を取り上げられて、生身にはぶつけられないその欲情をどうしたらいいのだろう? ちょっと考えてみても私の頭から出てくるアイディアは、「これは小さい女の子が叩いているんだ……」などと妄想しながら、カスタネットで自分のチンコを三拍子で叩くぐらいのもんである。

 ロリコンからその手の漫画を取り上げたって性癖が変わる訳ではないし、性犯罪者はそのはけ口を犯罪で発散しようとすることに変わりはないだろう。憎むべきは己の欲望で人様に迷惑をかけるような輩で、それはロリコンに限った話ではない。エロ本を読んでいる男(あなたの周りにいる多くの男性。イケメンだろうがブサメンだろうが教師だろうが料理人だろうが……)は一般人として普通に生活をしているし、ロリコンの男だってこれに同じである。

 そんな男達の中で買春に手を染める輩は一部だし、これはロリコンの中でも同じである。

 そんな男達の中で性犯罪に走る輩は一部だし、これはロリコンの中でも同じである。


 もう一度言うが、憎むべきはロリコンだろうがそうじゃなかろうが、上に挙げたような人様に迷惑をかける輩なのである。

 ヒステリーに無差別な規制を叫んでいる連中も含めて。

―2009年1月13日―

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