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―― 究極の選択 ――

 今から10年くらい前のことだと思うのだが、『究極の選択』という2択ゲームが流行った時期があった。

 代表的なものを挙げると、「ウンコ味のカレーとカレー味のウンコ。あなたならどちらを食べる?」といったものである。私の周りだけの局地的なものなのかもしれないが ――子供の頃の話なので世間の流行には疎かった――究極の選択関係の本も出ていたような記憶があるので、それなりに世間に浸透した 遊びではないかと思う。

 ちなみに私は「ウンコ味のカレー」も「カレー味のウンコ」も食べたくはない。当時の私も上の質問をされる度にこう答えたものである。 いきなり目の前で「ウンコ味の……」と質問されたって、そんなのどっちも嫌に決まっている。そう答えると「ダメダメ! どっちか絶対選ばなきゃ ならない状況なの!」とたいてい出題者からダメだしをくらうのだが、そんな状況あるわけねーだろ!

 そういう状況というのなら、その状況とやらをこちらの納得がいく形できちんと説明してもらいたいものである。

<究極の選択>
 あなたは今、人通りの全くない路地裏でインド人に殺されようとしています。 あなたは必死で命乞いをしますが、インド人は、

「イヤだね。オマエ、このナンの生地で、タタキコロスヨ!

 とあなたの言うことを聞き入れようとはしません。
 しかし、尚も命乞いを続けるあなたに、インド人は究極の選択を突きつけます。

「オマエの気持ち、よくワカタ。そんなにムスメとケッコンしたい言うなら、『ウンコ味のカレー』、『カレー味のウンコ』、 どちらかひとつエラんでタベロヨ。さあエラベ。

 娘のことはともかく、生き長らえたいあなたはこの究極の選択に……

A.『ウンコ味のカレー』を選ぶ
B.『カレー味のウンコ』を選ぶ

 こんな感じに、きちんとしたシュチュエーションを書き加えてもらえれば、それなりに納得できるというものである。



 ことのついでに「選択後のあなたの運命」というものを作ってみました。


・Aを選んだあなた……
「キサマ、インドカレーばかにするなヨ。クソッタレ!!」
 哀れ、あなたは激怒したインド人に叩き殺され、 煮えたぎるカレーの海へと沈められてしまいました。合掌。

・Bを選んだあなた……
「キサマ、インド人のウンコばかにするなヨ。クソッタレ!!」
 哀れ、あなたは激怒したインド人に叩き殺され、 むせ返るウンコの海へと沈めれてしましました。エンガチョ。

―2002年5月9日―


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