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                |  回復基調 人込み─あふれる活気       <2> |  
               
              
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             貿易センタービル崩壊の衝撃は、現場からかなり離れた所でも水道管や電気管の工事が進んでいることから、広い範囲に及んだと推測される。 
             崩落現場の近くの教会にはいまだに多くの花が手向けられていたが、近くのウォールストリートは朝早くから出勤するビジネスマンの靴音であふれており、米国経済が完全に回復基調にあることが分かる。 
             昔のニューヨークは路上生活者と落書きにあふれ、街を走る黄色のタクシーは泥だらけ、一般の車はボロボロで殺伐とした街であった。 
             今のニューヨークは全く違う。タクシーはピカピカ、狭い通りには黒のスーツをビシッと決めた運転手が乗る胴の長いリムジンが連なる。怖くて乗れなかった地下鉄は清潔で明るく、乗っている人もスーツを着たビジネスマンやヒールを履いたビジネスウーマンが多数である。 
             繁栄をおう歌した古き良き時代の米国が戻ってきた雰囲気が街全体にある。繁華街のタイムズ・スクエアは週日の昼間から人でごったがえ
            しており、夜ともなると 人込みで歩けない人が車道にはみ出している。 
             人がまばらで、歩いている人の姿勢もうつむき加減で、浮かない顔の人ばかりの日本とは全く違う雰囲気である。 
             よく見ると、日本と違う所はいまだある。通りで携帯電話をかけている人がほとんどいない。米国の景気回復は通信革命により始まり、情報通信分野で日本は米国に10年近く遅れたと聞かされていたので、米国ではもう携帯電話が耳の穴に入る程に小さくなったのかと思った。 
             次回は米国の通信産業について考えてみる。 
                          (長野市民新聞  '02.04.25掲載) 
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