|  物 価 景気や為替影響 割高感        <4> |  
               
              
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            ニューヨークの物価に限らず、米国の物価の方が日本より全体に高い感じがする。 
             貿易センタービル崩壊で再び注目を集め、昇るのに2時間近く待たされたエンパイヤステートビルディングのエレベータ代9ドルや、厳重な持ち物検査をされて乗った自由の女神行きのフェリー料金8ドルも高い。 
              
            エンパイヤステートビルから見たニューヨークのビル街
             注意して雑貨や衣料品の価格を見ると、米国の方が日本より高い物がいっぱいある。 
             私がこう感じた理由は3点ある。 
             1つは、アメリカの好景気は日本を中心とした世界からの「借入」で維持されており、消費主導である。そのために、どこにでも人があふれており、サービス業を中心に物価の水準が、不況に苦しむ日本とは明らかに違う。 
             2つ目は、不良債権問題で売り込まれている円相場の130円台が購買力水準からいったら既に安過ぎるのではないか。 
             3つ目は、現金を替えるときに、手数料とは別に20円近くの鞘(さや)を乗せ、150円の換算率を適用する米国銀行の利益主義が行き過ぎではないか。 
             デフレが止まらず、不良債権問題や構造改革が進まず、収益優先が進む現在の日本の姿が、そのまま旅行者である私の財布に響いている気がする。 
             レストランに入った。水を注文すると中年のウエートレスが来て、高い位置からジャーと水を注ぎ、周辺にしぶきが飛ぶ。彼女は謝りもせずに行ってしまった。 
             日本ではこんなサービスは成立しないであろう。これでも長く営業ができるのは米国が好況のせいだろうか。 
             サービスの水準と価格は、どう考えても米国より日本の方が優れていると思った。  
            (長野市民新聞  '02.05.09掲載) 
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