日曜の昼下がり。
愚母がテーブルの食器を片付けながら、私に愚痴をこぼしてきた。
「あーあ、オイラもはやく楽な生活してぇーな。女中さんでもやとって……お前が稼いでくれれば……なあ、仮面マスク」 「あー、無理。オレの器じゃ、奉公するのが関の山だよ」
それを聞くと、母は台布巾でテーブルを拭きながら、やおら窓の外を見た。
「あの雲みたいに、のんびりと暮らしてみたいぜや……」
その夜。
遅く帰宅した父に、母はみごとなカミナリを落としていた。