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―― かつら! ――

 加山雄三、キダ・タロー、桂三枝、とかつら疑惑の有名人は多いが、私の知るところNHKの「あすを読む」という番組に出てくるおっさん達も かなりの確率でかつらである。毎回どこかのお偉い教授さんがアフガン難民や日本の経済について講釈をしてくれているのだけれども、モップを頭にそのまま被せたようなかつらについ目がいってしまい、ぜんぜん明日が読めない。
 あれじゃ逆にハゲをアピールしているようなものなのになあ……とTVを見ながら思ってしまう。

 それでは自分がハゲたらどうするのか? というのを考えてみる。
 私は将来ハゲたとしても「明日を読む」に出てくるおっさん達を他山の石とし、決してかつらをつけるということはしないだろう。 自然にハゲを隠したいので、かつらは却下である。
 「自然に」ということならば育毛がある。育毛に関しては、永遠のヤングマン西城秀樹も「今すぐ電話だ!」と叫んでいたし、愛のメモリー 松崎しげるも「リーブ、にじゅういーちーい〜♪」と手を広げ推奨していた。
 しかし、私が将来ハゲて、彼らの出演するCMを見たらきっとこう叫ぶだろう。
「髪ふさふさのお前らに俺の悩みなんかわかるか!!」
 というわけで育毛も却下である。
 育毛がだめなら植毛がある。私の予想では、髪がなくなったころの私はポコチンの機能もかなり低下しているはずである。そこで、 人に見られる心配のなくなった陰毛を頭に移植するのだ。臭くっても自分の毛である。拒絶反応もでることはなく安心であろう。
 しかし、生来直毛である私の髪の毛が、人生の後半でいきなりパーマになるのは実に不自然である。
 というわけでこれも却下である。
 というかよくよく考えてみれば、髪の毛の薄い人がふさふさになるということ自体すごく不自然なことではないだろうか。どんなに自然なかたちで 髪を増やそうとも、周りは「努力してるんだ……」という目で見るに違いない。

 そんなことを考えていると、ハゲを隠すという行為は結局のところ自己満足であり、それをわかっているからこそ「あすを読む」 に出演しているおっさん達は、あえてモップかつらに甘んじているのかもしれない。

 というのは深読みだろうか。

―2002年3月26日―

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