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―― 年末の過ごし方 ――

 時が過ぎるのは早いもので、「あー、暖かくなってきて、春なんだなぁ……」――「あー、蝉の声が。夏が来たな……」――「最近、涼しくなってきたな。もう秋なんだな……」――「あー、寒い。そろそろ炬燵の季節か」――と車懸りに季節は移ろい、もはや年の瀬である。

 以前より私はこの年の瀬というやつが好きで、街中などで『1年のご愛顧に感謝して 歳末売り尽くしセール開催!』なんていう幟を目にすると意味もなくテンションが上がってしまう。年の瀬だからと特にやることがある訳でもなく、あまつさえ『猪木 ボンバイェ』に出場する訳でもないのに、自然と体がうずくのである。春先に出没する、裸にトレンチコートを着込んで女学生にポコチンを見せびらかすオッサンと要は同じ体質なのだろう。

 そんな年の瀬好きな私にとって1年の最終日である大晦日という日は、歌い手にとっての『紅白歌合戦』の舞台と同じである。前日から当日に見るTV番組のプログラムを組み立て、ドリンク(緑茶or番茶)、みかん、堅焼せんべいなどの用意。そして、午前0時“5分前”に出来上がるように蕎麦の茹でるタイミングを考える。そうして大晦日当日を炬燵の中で、TVと本を見ながらぬくぬくと過ごすのである。

 このように過ごすのが私にとっての大晦日の理想なのだが、しかし、小学6年生の時を最後に私が家で大晦日を迎えたという記憶は残念ながらない。

 中学生の頃からは友達と外で年を越すことが当たり前となり、一昨年なんかは、年末、年始は他人の家で過ごし、家に帰ったのは5日になってからであった――ちなみにこれまで私がどのように友達と年を越したのかを挙げていくと、中学の頃の“午前0時にジャンプ”して「オレ今地球上にいなかったもんねー!」という定番のものから始まり、“午前0時に逆立ち”をして「オレは地球を持ち上げていた」、“午前0時に寝転び”「オレは地球に張り付いていた」と続き、2年前の新世紀イヤーには“午前0時にタオルを振り回し”「オレは世紀をまたいでタオルを振り回していた!」というとてもシュールな年越しをしている――。

 友達と新年を迎えるのが嫌だとは言わないが、遠くから聞こえる除夜の鐘の音に耳を傾けながら、白い吐息の後ろに広がる夜空をひとり気持も新たに見上げるというのもそれはそれで風情があって良いのではないかと思う。そして、私はどちらかと言えばそちらの方が性に合う。

 今年はどうやらひとりで年を越せそうなので、これから大晦日を含めた残りの日を理想に近いかたちで過ごせそうで楽しみなのだ。

 これをご覧になっている皆さんも、どうか年末を楽しんでいただきたい。



 話しはコロッと変わるが、年始の挨拶で使えるギャグを先ほど考えてみたので、もしよかったら友達や親戚の挨拶回りの際に使ってください。



――年始の挨拶のつかみギャグ――
 いやー、時間の過ぎるのは早いもんで、ついこの前 年末 だと思ったらもう 年始 ですね。

(C)仮面マスク



 ……よ、よいお年を!

―2002年12月28日―

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