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―― 花粉症とはなのどガム ――

 花粉の飛散するこの時期というのは、花粉症の方々にはとても辛い時期のようで――あたりまえの話だけど――、うちの愚弟(花粉症歴3年)も「ああ、辛い。花粉症は辛い!」 とティッシュ箱を枕添いにして日々を耐え忍んでいる。

 そんな苦しむ愚弟を前に、私は鼻くそほじりながらニヤニヤと笑って眺めていることしかできない。本当、花粉症って大変ですね。

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   スーパーはなのどガム

 これは先ほど愚弟の部屋からくすねてきたものである。 形はおなじみの板ガムタイプで、銀と緑の紙につつまれている。包み紙には、

鼻スーッと爽快!! のどスッキリ!!

 という文字がおどっている。

 どうやらこのガムは花粉症による鼻づまりに悩む人々をターゲットにした商品のようである。まさか鼻毛づまりということはないだろう。

 このような「鼻の通りがよくなる」をうたった商品というのは、大抵がハッカやミントを使った誤魔化しであって、実際には鼻の 通りは改善されないものばかりである。このガムも例に漏れずミントカプセル配合と書かれている。たぶん鼻づまりの抜本的解消は期待できない。

 幼いころ。私が風邪をひいて鼻をグスグスいわせながら床にふせていると、よく母親が「ベポラップ」を塗りに来たものである。私はそれが嫌で、嫌で、しようが なかった。ベポラップを胸に塗ったところで鼻づまりが改善されるなんてことはなかったし、ハッカの刺激で目がひりひりして辛ばかりであった。 風邪のしんどさと、ベポラップのひりひりで、二重苦である。


 やはり鼻づまりは「スーパーはなのどガム」などに頼るよりも、ティッシュでこまめにかむのが一番だと私は思うのだ。

 もちろん、「かんだ後は紙につつんで、くずかごに捨てましょう」。

―2002年4月17日―


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